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第四十七話 慕情その五

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「今は敵味方なので」
「お互いそうだからね」
「それで、です」
 だからだというのだ。
「ここはです」
「闘うしかないわ」
「そうですね、では」
「犬鬼、また仕掛けるわ」
「ワン」 
 護刃の方から動いてだった。
 また仕掛ける、??もそれに応じてだった。
 死闘が続く、二人は場所も動いていた。
 それは征一狼と草薙も一緒だった、拝殿からも離れてだった。
 空中で闘う、そこでだった。
 草薙は空中で気を放ってだ、そうして言った。
「なあ、退いてくれないか?」
「この闘いをですか」
「出来たらな」 
 こう言うのだった。
「そうしてくれたらあと一人をな」
「倒してですか」
「終わるからな」
「貴方ならそうしますか?」
 征一狼は草薙に問い返した。
「そう言われて」
「仲間は見捨てないさ」
 これが草薙の返答だった。
「絶対にな」
「同じですよ、僕も」
 征一狼は微笑んで答えた。
「それは」
「そうなるよな」
「はい、ですから」
「退かないか」
「勝ってです」
 そうしてというのだ。
「退きます」
「そうだよな」
「はい、それでは」
「闘いましょう」
 まだ、とだ。こう話してだった。
 お互いに闘い続ける、そしてだった。 
 護刃と??も同じだったがこちらは。
 ??の衝撃波が犬鬼を撃ったが犬鬼は最後の力を振り絞ってだった。
 ??の右腕に喰らい付いた、??は何とか振り払ったが。
「くっ、これは・・・・・・」
「犬鬼!」
 護刃は振り払われ吹き飛ばされ地面に駆け寄った犬鬼に駆け寄った、すると犬鬼はその場に倒れ伏していたが。
「クゥ〜〜〜ン・・・・・・」
「えっ、犬鬼」
 犬鬼は一旦姿を消した、そしてそこからすぐに子犬の犬鬼が出た。??はその様子を着地して見て言った。
「倒されても主の貴女がいれば」
「犬鬼は生き返るのね」
「はい、ですが」  
 それでもというのだ。
「力はです」
「生き返ると弱まるのね」
「それではもう闘えないですね」
 右腕の噛まれた部分を抑えつつ言った。
「その子は」
「うん、それで犬鬼が闘えないなら」
「貴女もですね」
「私は犬使いだから」
 それ故にというのだ。
「私自身は皆よりずっと弱いわ」
「そうですね、では相打ちですね」
「??君も闘えないのね」
「この通りです」
 右腕を抑えつつ自嘲して言った。
「ですから」
「そうなのね」
「僕は目的は果たせました」
「私を戦えなくすることね」
「そうです、僕も闘えなくなって残念ですが」
 それでもというのだ。
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