サクラマウ
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「兎も角……もう反省してるでしょうから離してあげて下さい!」
「……ちぇっ」
アルル様の懇願に残念そうな顔で応じるプーサン。
摘まんだ鼻を離す際に、勢いよく放り投げたので、オールバックの酔っ払いは土手を転げて落ちていった。
ハゲ酔っ払いは慌てて転げる仲間を追って行く。
面倒な酔っぱらいがいなくなって清々した。
「やり過ぎですお義父様!」
「そうかい? アミーが居たから手加減はしたんだけど(笑)」
確かに陛下が手加減してなければ、この辺りは一面血の海になっていただろう。
「でも気に入らないなぁ……」
「なにがですか!? あの二人は反省してますよ、きっと……」
反省……してるだろうか?
「如何かな。きっと酒の所為にして以後も同じ様な事を繰り返すよ」
私もそう思います。
酔っ払いとはそういう生き物です。
「いっそ、ああいう輩を牽制する法律でも作るか」
「そこまでしますか、普通!?」
確かにそれはやり過ぎでは?
「いや、先刻の奴ら限定じゃなくてさ……今後酔っ払って問題行動を起こさせない様にする法律だよ」
「酔っ払いに法律を翳して効果がありますか?」
「先刻も言ったけどさぁ……飲む前は酔っ払ってないからね」
「そうですけど問題は酔っ払った後の事でしょう?」
「だからさ、酔う前に理解させる法だよ」
「……? ぐ、具体的には?」
「うん。飲酒状態……いや、酒気帯び状態で法に触れた場合は、最終的に下される罰則が2倍になる」
「はぁ?」
如何言う事だ?
陛下程に頭は良くないので、直ぐに理解が出来ない。
「例えばね……喧嘩をして傷害事件を起こしたとするじゃん。その場合に素面だったら傷害罪として10年の禁固刑が下されたとして、酒気を帯びていたら2倍の20年になる。罰金刑も同様ね」
確かにそれなら酒を飲んでも問題さえ起こさなければいい事ね。
「今の例えは喧嘩だったし、片方が酔ってて、もう片方は素面だったら罰則にも大きく差が出るよね。飲む前に意識をして、自分の酒量を超えない様に大人な飲み方をして欲しい」
「……まぁ、抑止力にはなる……かも……しれませんけど」
「法律ってのは抑止力だよ。よ〜し、そうとなれば善は急げだ! 帰ってウルフに草案を纏めさせよう☆」
思い立った陛下は行動が早い。
アミー様の頭を優しく撫でると、颯爽とルーラで帰ってしまった。
その姿を残念そうに見送るアミー様……
逆に清々とした表情で見送るアルル様。
私は思う。
陛下を避ければ避ける程、アミー様は陛下を求めてしまうのでは?
だが近付ければ育児に悪影響が出る事は私にも想像出来るし、部外者の私には何も言えない。
私も結婚をして出産すれば、ア
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