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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第182話:不安の予兆
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食事を受け取ると、カリオストロとプレラーティの前にトレーを置き対面の席に座って手を付け始めた。揚げたてのトンカツに舌鼓を打つ彼の姿に、プレラーティは手元の料理と彼の顔を交互に見て先程のセリフを述べた。
「何って、見ての通りだよ。仲良くなるには同じ卓を囲んで飯を食うのが一番だろ? なぁ、響ちゃん?」
「うぇっ!? あ、あぁ、はい。そ、そうですよ! 一緒にご飯食べれば、仲良くなれますって!」
いきなり颯人に話を振られて慌てる響だったが、彼がカリオストロ達と仲良くしようとしていると見ると顔に笑みを浮かべて彼の隣に座った。元より他者との争いを好まぬ彼女からすれば、こうして敵対した間柄とは言え共に同じ卓で食事を共にすると言うのは嬉しい状況である。
とは言えそれは響だから抱ける感想であり、他の者からすればこの状況は少々混沌としていると言わざるを得ない。暢気に食事している颯人に対し、カリオストロ達はバリバリに警戒心を向けているのだから。
「どういうつもりかしら? まさか、こんなのであーし達を懐柔出来るとでも?」
「こんなのとは酷い言い様だな。ガルドの作る飯は絶品だぜ?」
「そうじゃない。私達はお前の目的が聞きたいワケダ。言いたい事があるならさっさと話せ」
一向に料理に手を付けず、射抜くような視線を向けてくる2人に颯人は食事の手を止め両手を上げた。
「やれやれ……一緒に飯食って仲良くなろう作戦は失敗か。……んじゃ、こっちの手で行かせてもらうかね」
颯人はトレーを脇に退けると、テーブルの上に両肘をついて組んだ手の上に顎を乗せて本題を切り出した。
「それじゃ単刀直入に言おう。共同戦線を張らないか?」
「何?」
「プレラーティ、アンタの言動から多分だけどアダムって奴はアンタらを切り捨てる方向で動き出したんじゃないか? それを受け入れられなくてアンタらは勝手な行動を起こした。違うかい?」
颯人の言葉にカリオストロがプレラーティを睨んだ。同僚からの視線に、プレラーティもバツが悪そうに視線を逸らした。非常時だったとは言え、迂闊な事を口走ってしまった。その事を彼女なりに悔いているのだ。
「……仮にそうだとして、私達がお前達と共闘するメリットは?」
「残る幹部はサンジェルマンさんただ1人。危険なアダムが残った幹部を、さて放っておくかね?」
凡その状況が読まれている事に、2人は思わず歯噛みした。こちらの状況を分かっている中で、こんな交渉を仕掛けてくるあたりこの男もなかなかに腹黒いとか思っているのだろう。実際その通りだった。会話の端々から読み取れる関係性から、この2人がサンジェルマンを殊更に大事に思っている事は予想が付く。颯人はそれを分かった上で、この2人が飛びつかずにはいられない条件を口にしたのだ。これ
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