第8話:強者の矜持
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いのは向かって来る者、命の覚悟がある者だけだ!それ以外には毛1本の傷もつけてはならん!これは、力を持つ者の当然ぞ!」
その途端、某は無性に腹が立った!
「解せん!」
「ぶははは、なんだその顔!?許せないか?俺様をぶっ殺したいか!?ざんねーん、死ぬのはてめぇと、この街のヒューマン共――」
力任せに触手を引き千切る。
「ばかな!?俺様のトロールナメクジはレベル70だぞ!?」
「それがどうした?先程油断してこの様な仕打ちを受けた某も未熟だが、その程度で勝ったと思い上がり、敵大将を討つ上で欠かせない首獲り怠ったそなたも、また未熟!」
男は後ずさりして怯えた表情を浮かべた。
「しねぇ!リトルボムズ!」
20を超える小さな爆発が某を包む。部屋の中に爆音が響き、衝撃が激しく揺らした。
だが!
「そんな大道芸では、某の髪の毛1本燃やせぬ!」
「バカめ!剣1本で防ぎきれると思うなよ!リトルボムズ、リトルボムズ、リトルボムズ!」
目の前の炎が邪魔なら、その炎を斬って捨ててしまえば良い!
「ぐふ、ふふふ、これだけやれば生きてい……あれで無傷だと……ありえない……ば、化物だ……」
「だから言ったろう?髪の毛1本燃やせぬと」
「ひぃいいいっ!?な、なな、なんなんだ貴様は!?まさか噂の勇者なのか!?」
ゆっくりと姿を見せてやれば、顔面蒼白に震えながら後ずさりする。
こやつ、本当にこの前斃したダームとやらと本当に同類なのか?
「その程度か?これなら、ダーム殿の方がまだ手強かったぞ?」
某の言い分が敵大将を怯えさせた。
「お前があのダームを……だとおぉーーーーー!?」
さて、さっさと終わりにするか。
刹那に部屋を駆け抜け、刀を鞘に収める。
「滅びよ!貴様の最大の失態は、力を持つ者の当然を怠った事と知れ!」
ノノ・メイタperspective
セツナさんとウララさんが道を作り、ツキツバさんがマリアンヌ様が囚われているであろう部屋に入って往ったけど……
その部屋の中から不気味な爆発音が何度も響き渡ったんですけど!?
まさか……マリアンヌ様の身に何かあったら……
そんな僕の心配をよそに、連続した爆発音が途絶えた途端、男性の悲鳴が響き渡った……
「何だ!?」
本当に何が起こってるんだ!?
そして……僕が危惧している予想に対する答えを突き付けるかの様に、マリアンヌ様が囚われているであろう部屋の扉が再び開いた。
……しかし……
「……何か、異様に煙たいな?」
「部屋の中にいた者が爆裂魔法を使用したのでしょうか?」
勿体ぶらないで!
早くマリアンヌ様の無事な姿を魅せて!
が、僕の懇願を無視するかの様に中にいた者はゆっくりと歩いていた。
あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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