第十八章
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「何故なら。御前はファンガイアを知らないからだ」
「ファンガイアを。この私がか」
「そして人間も知らない」
こうも言うのだった。
「その様な男に。この名護啓介が敗れることはない」
「最早言うことはない」
ビショップは三人の言葉に怒りを隠せなくなっていた。
「ここで死ぬのだ。惨たらしくな」
「ひゃーーーーーーーーはははははははは!」
また糸矢が狂気じみた高笑いを出してきた。
「今日はいい日になるなあ」
「確かにな」
次狼が彼に言い返した。
「御前等が死ぬ日だからな」
「死ぬのは御前等なんだよ」
だが糸矢も負けてはいなかった。
「だからいい日になるんだよ。二十二年も日延べになっていたことが現実になるんだからな」
「何かこいつは全然変わらないね」
ラモンは相変わらず異常なテンションを見せる彼を見ていった。
「ビショップもだけれど」
「私が変わることはない」
ビショップもまたそれに言葉を返してきた。
「永遠にだ。貴様等を倒すまで」
「ならば貴様が我々を倒すことはできない」
「何っ!?」
「何故なら我々は変わり続けている」
名護はビショップと逆のことをあえて言っていた。しかしそれは虚栄ではなかった。確かな真実に裏打ちされた確かな言葉であった。
「その我々が変わることのない貴様に敗れる筈がないのだ」
「言わせておけば」
ビショップは今の名護の言葉に怒りと憎しみをさらに増加させた。
「人間風情が」
「さっき言った筈だ」
今度は登が彼に告げるのだった。
「御前もまた人間だ」
「またしても戯言を」
「戯言と思うのならいい」
しかし登はさらに彼に言うだけだった。仮面をしていてもその裏にある心は確かに見せていた。それを隠すことはしようともしていなかった。
「だが。真実だ」
「私が人間だと。馬鹿を言うな」
「ファンガイアは人間だ」
登はその言葉を変えなかった。強い意志と共に。
「姿形が違うだけだ。人間だ」
「なら。それが戯言だということを証明してみせる」
ビショップの怒りは最早限界だった。それを表面に出していたが抑えきれないまでになっており今それを完全に露わにさせたのだった。
「この私自身の手で」
「俺もなあ」
ビショップと糸矢は同時に変身してきた。それぞれのファンガイアの姿になりそのうえで激しい憎悪を剥き出しにするのだった。糸矢は狂気を。
「見せてやる。人間の愚かさを」
「楽しませてもらうぜ、これからなあ!」
「行くぞ、渡」
登は二人が変身したのを見て弟に告げた。
「これが最後の戦いになるかどうかはわからないがな」
「そうだね。敵はまだいると思う」
紅はこう感じていたのだ。
「だって。あいつがいないから」
「あいつ!?そうか」
力は今の
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