第百二十八話 酒も飲んでその一
[8]前話 [2]次話
第百二十八話 酒も飲んで
咲が家に帰るとだ、一緒に愛もいるのを見て母は言った。
「愛ちゃんも一緒なの」
「実はさっきスーパー銭湯に行って」
咲が話した。
「そこでね」
「一緒になったの」
「これも縁よね」
その愛は咲に笑顔を向けて言った。
「やっぱり」
「そうよね」
「それでおばさん今からね」
愛は今度は咲の母に顔を向けて話した。
「咲ちゃんと二人で飲んでいい?」
「お酒かなり買ったわね」
咲の母は二人がそれぞれ持っているビニール袋とその中にある缶とスナック菓子にカップ焼きそば等を見て言った。
「じゃあこれから」
「飲んでいい?」
「いいわよ」
あっさりとした返事だった。
「それならね」
「じゃあ飲むわね」
「何かあった?」
咲の母は今度は自分の娘を見て言った。
「ひょっとして」
「ああ、その話は私とするから」
愛は咲の母に笑顔で言った。
「飲みながらね」
「そのうえで」
「そう、そしてね」
そのうえでというのだ。
「咲ちゃんのお話聞くから」
「それじゃあね」
「じゃあね」
愛はまた咲に顔を向けて言った。
「今からね」
「お酒飲んで」
「そしてね」
「お話するのね」
「そうしよう」
笑顔での返事だった、そしてだった。
二人で咲の部屋に入った、その時にカップ焼きそばはもう作っていた。それを食べて缶の酒を飲んでから。
愛は咲にだ、こう言った。
「じゃあね」
「今からなのね」
「お話して」
「スーパー銭湯でお話したけれど」
「ここでもね、まだ言いたいことがあるなら」
それならというのだ。
「何でもね」
「お話していいの」
「そうしていいから」
それでというのだ。
「何でもね」
「お話していいのね」
「もう全部吐き出して」
愛は咲のコップに酒を入れつつ言った。
「それで泣いてもいいから」
「そうなの」
「そう、泣いてもね。兎に角ね」
「ここで吐き出すのね」
「全部ね。それでね」
そのうえでというのだ。
「忘れるのよ」
「全部吐き出して」
「そうよ」
まさにというのだ。
「いいわね」
「それじゃあね」
咲は愛の言葉に頷いてだった。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ