第五幕その五
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「実はね」
「そうなのね」
「橇に乗せて運ぶにしても」
「私の鞄は何でも入るけれど」
「それでも出す時何メートルもあると大変でしょ」
「そうね、いきなり大きいものが出るとね」
「そう考えてね」
それでというのです。
「包むと小さくなる布をね」
「使ってくれたのね」
「ええ、それでね」
「絵を出す時は広い場所で出すのね」
「そうしてね、いいわね」
ドロシーにその絵を両手で持って言いました。
「いいわね」
「そうさせてもらうわね」
ドロシーも頷きました、そうしてです。
ドロシーは絵を受け取るとすぐに自分が持っている鞄の中に入れました、絵は鞄の中にあっさりと入ってです。
ドロシーはオズマに笑顔で言いました。
「それじゃあ今すぐにね」
「神殿に戻るのね」
「そうするわ、そしてね」
そのうえでというのです。
「絵を飾るわ」
「それではね、あとね」
「あと?」
「皆にご苦労様って伝えて」
こうもです、オズマは言うのでした。
「そうしてね」
「お役人の人達になの」
「そのことをお願いするわ」
「忘れものをしたことは」
「人は間違えることもあるでしょ」
オズマはにこりとして答えました。
「皆頑張ってくれている中でね」
「間違えるのならなのね」
「それを言うことはしないわ」
「オズマはそうよね」
「オズの国でもそうでしょ」
「失敗は咎めない」
「だって皆いつも頑張ってるから」
そうした国なのです、オズの国は。
「楽しみつつね」
「だから間違えても」
「そこは皆でフォローするでしょ」
「ええ、それはね」
「それでよ」
「オズマも咎めないわね」
「ええ、だからね」
それでというのです。
「皆にはね」
「ご苦労様ね」
「そう伝えてね」
「わかったわ、それじゃあね」
「あと神殿はメソポタミアの神様の神殿だけれど」
「ギルガメスさんのね」
「あの神様にも宜しくね」
このことも言うのでした。
「そうしてね」
「それじゃあね」
こうしたお話もしてでした。
絵を受け取ったドロシーは出発しようとしますが臆病ライオンはオズマにこんなことを言いました。
「この橇凄く速いね」
「そうでしょ、速さを考えて」
オズマはにこりとして答えました。
「造ったのよ」
「そうしたものなんだ」
「魔法を入れてね」
「だからあんなに速いんだね」
「もう木挽きの馬と同じだけ、いえお空を飛ぶから」
「もっと速いんだね」
「皆が乗っていた飛行機よりも」
それよりもというのです。
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