第五幕その二
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「ここは」
「そうですね、では確認します」
「携帯電話でね」
「そうします」
お役人さんは魔法使いの言葉に頷いてでした。
そのうえでご自身の携帯を出して都に残っている同僚の人に尋ねますと暫くしてでした。
「あるそうです」
「ああ、やっぱりそうだね」
「忘れていたみたいです」
「かかし君の言う通りにだね」
「そうでした」
「あったんだ、よかったね」
ボタンはそのお話を聞いて笑顔で言いました。
「なくしたんじゃなくてね」
「いや、そうも言っていられないよ」
腹ペコタイガーはボタンに突っ込みを入れました。
「だってね」
「忘れたから?」
「そうだよ、絵はエメラルドの都にあるんだよ」
だからだというのです。
「僕達は今ギリキンのかなり北の方にいるけれど」
「そこから都となると」
「うん、かなりの距離があるよ」
「それじゃあ飛行機で戻ればいいじゃない」
ボタンは何でもないといった調子で答えました。
「僕達がここまで来た」
「あの飛行機でなんだ」
「今も街の傍にあるし」
そこに置いているというのです。
「だからね」
「あれに乗ってだね」
「一気に戻って」
エメラルドの都までというのです。
「そして絵を受け取ってね」
「ここまで戻るんだね」
「そうしたらどうかな」
「ううん、それはいいけれど」
トトはボタンのそのお話を聞いて言いました。
「幾ら大事な絵でも飛行機を使ってまでって大袈裟じゃないかな」
「そうかな」
「うん、飛行機を使うならね」
それならというのです。
「もっと大掛かりな。せめて僕達全員が乗ったり沢山のものを乗せる時だね」
「そういう時になんだ」
「使った方がよくない?」
「あの飛行機を動かせるのはこの中で魔法使いさんだけよ」
ドロシーも言ってきました。
「自動で動くけれどそうする様に出来るのはね」
「魔法使いさんだけなんだ」
「魔法使いさんはパイロットの資格を持っていて」
そうしてというのです。
「魔法も使えるから」
「そういえばあの飛行機魔法も使っていたね」
「それもかなり高度なね」
「オズの国で魔法使えるのってね」
「オズマ姫とグリンダさの魔法使いさんだけだったね」
「そう、だからね」
ボタンにさらにお話しました。
「あの飛行機はね」
「僕達の中では魔法使いさんしか乗れないんだ」
「そうなのよ、それで魔法使いさんはね」
「いや、今とても忙しいよ」
魔法使いが申し訳なさそうに言ってきました。
「だからね」
「飛行機は動かせないんだ」
「申し訳ないけれどね」
「そうした事情があるから」
それでと言うドロシーでした。
「ここは私の魔法の道具でね」
「取りに行くんだ」
「そうするわ、ここでい
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