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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第5章】エクリプス事件の年のあれこれ。
 【第6節】背景設定5: 宇宙の成り立ちと魔法の原理について。
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 さて、この宇宙から「いわゆる、霊的な領域」をすべて取り除いた残りの部分を「物理次元」と呼びます。
 既知の物質およびエネルギーは、すべて、この物理次元の側にのみ存在しているため、我々人間もまた肉体を持ったままでは、当然ながらこの物理次元から離れることは決してできません。
【一部には、『意識を肉体から遊離させて、霊的な領域へと飛ばすことができる』と主張する人たちもいますが、それはあくまでも「オカルト分野」の話です。
 霊的な領域の分類については、「背景設定10」の方にまとめておきましたので、そちらを御参照ください。】

また、物理次元は、実のところ、「時間や距離に関する制約の強さ」によって大きく四種類の空間に分類されます。それら四種類の空間を、制約の強い方から順に、通常空間、亜空間、異空間、虚数空間、と呼びます。
 まず、通常空間とは、今も我々が普通に生活している「この空間」のことであり、速度に関しては「光の速度」という明確な上限があります。
 次に、亜空間とは、一般の「次元航行」に用いられる空間のことで、距離や上限速度の概念が、通常空間とは大きく異なっています。
【いわゆる「個人転送」や「即時移動」も、この亜空間を利用したものですが、一方、『A’sの最終戦で、〈ナハトヴァール〉のコアを軌道上に転送した』という時の「転送」は、あくまでも「通常空間経由の高速移動」であり、実際には、亜空間など一切、経由していません。
 惑星上にいる人物を、軌道上にある次元航行船の中に収容したり、逆に、次元航行船の中にいる人員を、惑星上に送り込んだりする際の「転送」も、(もちろん、魔導技術の一種ではあるのですが)実際には、単なる「通常空間経由の高速移動」です。】

 そして、異空間とは、いわゆる「召喚魔法」に用いられる空間のことです。この空間では原則として物体の移動は常に「時間の経過を伴うこと無く」(つまり、距離には関係なく、瞬時にして)行なわれます。
 ただし、人間を始めとする大半の生き物は、別の世界からの「遠距離召喚」には全く耐えられません。これに耐えられるのは、ただ、真竜のような一部の大型竜族と、俗に「召喚獣」と総称される特殊な生物群だけなのです。
【裏を返すと、同じ世界(惑星)の中での「近距離召喚」であれば、人間を召喚することは充分に可能です。Vividのコミックス第3巻でも、キャロがアインハルトを自陣に呼び戻す際に召喚魔法を使っていました。
『召喚魔法の魔法陣だけが少し特殊な形をしているのも、それが「異空間」を利用する特殊な魔法だからだ』という設定です。】

 最後に、虚数空間とは、基本的に「時間の経過」そのものが存在しない空間のことです。
【原作では一貫して「虚数空間」という用語が用いられておりますが、数学の世界では同じ用語が全く
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