【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第5章】エクリプス事件の年のあれこれ。
【第4節】同81年の10月以降の出来事。(後編)
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もしも魔力素という『中間段階』をスッ飛ばして、生命力そのものを魔力に『直接に』変換することができるのであれば、あくまでも『プログラム次第では』という話になりますが、その『変換効率』を大幅に上昇させることも可能でしょう。
また、『余剰生命力』だけでなく、『基礎生命力』まで削って使い込んでも構わないのであれば、その変換効率をさらに上昇させることもまた可能であろうことは想像に難くありません」
「しかし……そのシステムやと、毎年、何百人もの人間が生贄になる訳やろ?」
「どうやら、彼は『社会の底辺で何の役にも立っていないクズども』を犠牲にすれば、それで良いと考えていたようです」
「その人が役に立っとるか立っとらんかは、一体何を基準にして、誰が決めるんやろうなあ?」
「おそらく、彼は『自分には、それを決定する資格がある』とでも思い込んでいたんでしょうね」
「そういう考え方は、私は好かんなあ」
はやてが溜め息まじりにそう吐き捨てると、マリエルはさらに、こんな話を始めました。
「それと、こちらはさらに怪しい情報なのですが……先日、ユーノ司書長が遅ればせながら、先史ルヴェラ文明の古文書を解読しました。ただし、基本的にはルヴェラ人たちの『自画自賛』の書物ですから、真偽のほどはよく解りません。まず、それを念頭に置いた上で、聞いてください。
本来、エクリプスウイルスの『原初の種』は、『人工的に「サードコア」を顕現させるための』……つまり、『人工的に「異能者」を造り出すための』ロストロギアだったと言うのです。もちろん、実際には、その失敗作だった訳ですが……」
「しかし、その『異能者』というのは……私も言葉は聞いたことがあるんやけど、実際のところ、具体的にはどういう意味の言葉なんや?」
「まだ実在が確認されたことはありませんから、具体的な意味内容となると、その用語を使う人によって、まちまちですね。伝承としても、『人類史上、本物の異能者など、指折り数えるほどしかいなかった』という話ですから。
ただ、多くの場合、異能とは、『物理次元で何か特別なコトができる能力』と言うよりは、ただ単に『全く人間離れした認識能力』を指して言う用語のようです。つまり、解るはずの無い事柄が直感的に解ってしまったり、人類がまだ全く踏み込んでいない認識の領域に一人だけ踏み込めてしまったりする能力のことですね」
マリエル自身は、一貫して極めて懐疑的な口調でした。
「つまり、異能と魔法は、全く別種の能力と考えて、ええんやな?」
「そうですね。そもそも、サードコアという用語それ自体が、イネートコアやリンカーコアとは別に存在する『第三のコア』という意味の用語なのですから、それぞれのコアに由来する能力も……つまり、『イネートコアによるIS』と『
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