【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第5章】エクリプス事件の年のあれこれ。
【第4節】同81年の10月以降の出来事。(後編)
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翌10月の中旬、特務六課が解散させられた後に、キャロとフリードは(ヴォルテールから治療を受けた上で)何事も無く、ミッドに戻って来ます。
そして、11月になって、エリオはようやく(キャロやフリードと同様に)傷跡のひとつも残さずに完治して、無事に退院しました。
その際、二人は『一足お先に失礼します』と、フェイトやなのはにも挨拶をしに行きましたが、その際に、前述のとおり、マルセオラ(9歳)にも紹介されました。
そして、エリオとキャロ(16歳)は、ギンガやチンクやトーマにも挨拶をして、気持ちとしてはやや不完全燃焼のまま、フリードとともにスプールスへ戻りました。
一方、ギンガはこの機会に「両の義手」を、チンクもまた「右の義眼」を、最新型のモノに取り替えました。それで、退院がエリオよりも後になったのです。
(これ以降、ギンガは両手で、リボルバーナックルの「軽量化された簡易版」のようなデバイスを扱うようになります。また、チンクは「何故か」その後も右目には眼帯の着用を続けました。)
また、12月には、ギンガやチンクに続いて、トーマも退院し、正式にナカジマ家の一員となりました。
「原初の種」が消滅した影響でしょうか、エクリプスウイルスの治療は予想以上の速さで終了しました。そうして、トーマは肉体的にはもう何の問題も無い状態となりましたが、実は、リリィを喪ってしまったことで、精神的にはかなりの問題を抱え込んでしまっています。
トーマが、再び自分の人生に「意義」を見出せるようになるまでには、まだしばらくの時間が必要でした。
なお、結果としては、81年の〈エクリプス事件〉は、ミッドではさほど人々の話題には上りませんでした。局員や関係者らには若干の被害も出ましたが、社会全体として見れば、ミッド地上の一般市民には、ほとんど被害が出なかったからです。
この年、ミッドでは「51年の一連のテロ事件の犠牲者たち」の「30回忌・祀り上げ」がそれぞれの土地で営まれましたが、ミッド地上の一般市民にとっては、むしろこちらの方が大きな話題となったほどでした。
さらに言えば、ミッドでは、聖王教会の方で、まず新暦80年に「教会成立360周年記念祭」があり、81年には「聖王昇天360周年記念祭」がありました。
そして、(これは全く「偶然の一致」なのですが)翌82年には続けて、ミッド中央政府の主催による「クラナガン遷都200年祭」も控えていました。
ミッドでは、管理局による情報統制もあり、こうした「三年続きの祝賀ムード」にも流されて、人々は〈エクリプス事件〉にあまり深い関心を持たなかったのです。
(もちろん、実際に大きな被害の出たヴァイゼンやフォルスやリベルタでは、状況は全く違っていま
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