暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第5章】エクリプス事件の年のあれこれ。
 【第2節】エクリプス事件の決着。
[3/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
(きゅうきょ)そこへ乱入しました。

 敵がノーヴェとシャッハに対して間合いを取り直すと、セインは「ディープダイバー」で地中に(もぐ)り、いきなり両手だけを地上に出して敵の両足首をつかむと、敵の体を胸元まで一気に地中へと引きずり込みます。
 そして、感染者が唐突に身動きの取れない状況に(おちい)ると、ファビアはそこへすかさず「殺意に満ちたレベル」の精神攻撃魔法を叩き込みました。
 すると、以前から精神的には相当に不安定な状況にあったのでしょう。感染者は唐突に発狂し、半ば地中に埋まったまま、いきなり〈自己対滅〉を起こします。

 もちろん、ルーテシアはその現象に関して、何の予備知識も持ってはいなかったのですが、それでも、ルーテシアは不意に「嫌な予感」に駆られ、感染者の体を中心に、素早く「地中をも(おお)う球形の小さく強固な結界」を張ります。
 そのおかげで、間一髪、爆風は結界内に封じ込められ、周囲には何の被害も出ませんでしたが、ルーテシア自身は、その反動を一人ですべて受け止めた形となり、その場で不意に倒れ込んでしまいました。

 そこで、シャッハはヴィヴィオたちに、『実は、「ヴィヴィオの身が危ないかも知れない」という予言があったので、しばらく前から、こっそりと張り付いていた』ということを白状しました。
 幸いにも、ヴィヴィオ自身は「ほぼ無傷」と言って良い程度のカスリ傷だけで済んでいます。
 それでも、アインハルトは、ヴィヴィオを完全には守り切れなかった「(おのれ)の力不足」を恥じると同時に、自分の彼女に対する感情が、もはや単なる「好意」や「友情」などではないことを今さらながらに自覚してしまったのでした。
【以上が、7月末日の、いわゆる「ヴィヴィオ襲撃事件」の概要です。】

 また、ルーテシアも幸いにして、ただ単に爆発の衝撃で一時的に意識が飛んだだけだったのですが、大事を取ってシスター・シャッハに車で最寄りの転送ポートまで送ってもらい、ファビアも同行する形で〈本局〉の医療部へと(かつ)ぎ込まれました。
 ルーテシアはじきに、問題なく目を覚まします。
「ごめんなさい、ルー(ねえ)。私が短慮でした。まさか、人間の体が突然あんな爆発を起こすだなんて……」
「あなたのせいじゃないわ。あんなの、事前に知っていなければ、解るはず無いじゃないの」
 ルーテシアは、ファビアの謝罪にも優しくそう(こた)えました。
 しかし、二人はやがて、同じ頃にアギトが〈本局〉に(かつ)ぎ込まれたと聞き及びます。
 そして、ルーテシアは、アギトの状況が相当に深刻なものであると知ると、まるで自分のことのように深く心を痛めたのでした。

 ルーテシアは、昏睡するアギトの許を訪ね、『自分たちも何か力になれませんか?』と申し出ましたが、シャマル
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ