【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第5章】エクリプス事件の年のあれこれ。
【第1節】新暦81年、7月までの出来事。
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(以下、前書きの続き。)
『当時、トーマはまだ小児で、自分の親が何の仕事をしているのか、よく解っていなかったが、実は、ヴィスラス街に住んでいた人々はみな、CW社(カレドヴルフ・テクニクス社)の外部協力者たちだった。
つまり、彼等は「正規の社員がやると社会的に体裁が悪い『ヨゴレ仕事』を、代わりに行なう外部委託団体の人々」であり、かつ「新暦初期に外部に流出した『スクライア一族の技能』を今も継承する人々」だったのだ。
(なお、「プロローグ 第1章」で、長老ハドロのセリフの中にチラッと名前の出た「アヴェニール四兄妹」のうちの下の二人は、トーマの父親から見ると「父方祖父と母方祖母」に当たり、トーマの母親から見ると「母方祖父と父方祖母」に当たる。)
ゼムリス鉱山は本来、CW社が所有する物件で、元々は普通の「クリスタル採掘鉱山」だったのだが、新暦68年、とある坑道の奥から「ヴァイゼンでは、今まで誰も見たことが無いタイプの」地下遺跡が出土した。
これまで、ヴァイゼンで「遺跡」と言えば、「聖王家直轄領時代の、古代ベルカ系の遺跡」か、さもなくば「先史時代のヴァドゥガナ系の遺跡」ぐらいのものだったのだが、どうやら、今回の遺跡はそのどちらでも無いようだった』
(なお、ヴァドゥガナは〈次元世界大戦〉以前の先史時代に、ルヴェラと敵対していた世界の名前です。詳しくは、「背景設定8」を御参照ください。)
『また、CW社の会長「グレイン・サルヴァム」は、最初の報告書を読むと、その遺跡に「とある期待」をかけて、直ちに作業員の「総入れ替え」をやってのけた。
つまり、従来の作業員たちを全員バラバラに別の現場へ転属させると同時に、(実は、顔なじみの)アヴェニール夫妻を始めとする技能者たちを、表向きは単なる「下請け労働者」として、ヴィスラス街へと呼び寄せたのだ。
だが、何年かして、その遺跡が「先史ルヴェラ文明の人々の一時的な居留地」だったと判明すると、グレイン・サルヴァムは一挙にその遺跡への関心を失い、あとは「お定まりの学術調査」だけを続けさせた。
その一方で、ハーディスは「先史ルヴェラ文明の遺産」の独占を企てており、「最初にEC因子の保有者となった二人組」にも、「ルヴェラ系の遺跡は見つけ次第、潰すように」との指示を出していた。
それもあって、その二人組は、新暦76年の9月に、ゼムリス鉱山とヴィスラス街を襲撃したのである』
この作品では、『この二人組は、〈フッケバイン〉の連中とも無関係ではないが、彼等からは少し距離を置いた人たちだった』ということにしておきます。
彼等は翌年、スバルの依頼で行なわれた追加調査によって、一人だけ生き残りがいたことに気がつきましたが、その
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