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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第166話
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して断固たる決断を下さねばならない。――――――よって予定していた”刻限”をもって、大陸全土に対して”天の雷”による”裁き”を始める。



私は此度の一件で痛感した――――――やはり創造の前には破壊が必要なのだと。ひとつの犠牲すらなく大陸統一の道筋など見出せるわけがなかったのだと……!その意味では――――――”これまで私が裏で推し進めてきたことも同じだったのだろ。”――――――2年半前の”碧き大樹”の事件と、それに連動する形で勃発した帝国の内戦。半年前のユーゲント皇帝の暗殺未遂事件と、それを発端とした”ヨルムンガンド戦役”。そして戦後、ノーザンブリアとジュライで起きた独立運動に、混乱の火種を仕込んだ事も。こうしてクロスベルという足場を利用し各地の混乱の引き金を引いた事も同じだ。全てはゼムリア大陸の統一という大義のため、推し進めてきた事に他ならないのだから……!



だが――――――もはや私は迷わない!”天の(ケラウノス)”は一切の慈悲もなくこの世全ての悪を裁くであろう。そしてその先にこそゼムリア大陸の真の未来が待っている……!その大儀を前に、もはや”多少”の犠牲などさしたる問題ではあるまい……!」



「………な、なにを言っているの……?」

「……その全ての裏に、彼が………?」

「ふ、ふざけるな……独裁者が!!」

「誰がてめぇの言いなりになんか……!!」

「非道すぎるわ……!」

「いったいどれだけの人が苦しんだと思っているんだ……!?」

ルーファスの主張と宣言を聞いた世界中の民衆は憎悪の表情を浮かべてルーファスの映像を睨んだ。すると民衆の足元に次々と蒼白いプレロマ草が輝き始めた。



「っ……あの塔に、世界中の人々の思念が……」

「はい………渦巻くような怒りや恐怖、悲しみが………それらに起因する”憎悪”が。」

「……”憎悪”の収束地が”天の雷”の標的になるとしたら――――――」

「……そういうこと、だろうな。」

”キーア”と”ティオ”の分析を聞いて次に何が起こるかを悟った”クレア”は不安そうな表情で、”レクター”は重々しい様子を纏ってバベルを見つめた。

「そ、そんな……!」

「……クソが……!」

”キーア”達の話を聞いた”エステル”は信じられない表情を浮かべ、”アッシュ”は悔しそうに悪態をついた。

「ルーファス……!」

「兄上――――また、貴方は一人だけで……!」

”ミリアム”は不安そうな表情で、”ユーシス”は唇をかみ締めてバベルを見つめた。

「―――――間もなく刻限だ。帝国、共和国はもちろん、リベール王国やレミフェリア公国、アルテリア法国……レマン自治州やオレド自治州、その他の小規模国家もいずれ標的となるだ
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