第166話
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〜逆しまのバベル・中枢区画〜
「や、やった……!?」
「はい、今度こそ本当に……!!」
終焉のイシュメルガの様子を見た”マキアス”と”ミュゼ”が自分達の勝利を確信したその時終焉のイシュメルガの姿はゾア=ギルスティンからイシュメルガ=リィンの姿へと変わり、イシュメルガ=リィンの姿へと変わった終焉のイシュメルガは地面に叩きつけられた。
「……何故ダ……コノ私が………!!貴様ラ如キガ………私ヲ降ス可能性ナド……!」
「それがお前の限界だ、もう一人の――――――いや、”イシュメルガ”。今迄の戦いだって、簡単に乗り越えられたわけじゃない。文字通り可能性がゼロだったことすらあったかもしれない。それでも……そんな僅かな可能性を、俺達は何度も掴み取ってこれたんだ。一人じゃなかったから――――――支え合う事ができたから。」
「ああ、それこそが俺達が手にしてきたもの……そしてヒトがこれからも紡いでいくものなんだろう。」
地面に倒れた終焉のイシュメルガはリィン達を睨みながら自分達の敗北を信じられない様子になっていたがそこに”クルト”に肩を貸してもらって立っている”リィン”と”ロイド”が終焉のイシュメルガに自分達の勝因を指摘した。
「ッ……馬鹿ナ……ソノヨウナ、取ルニ足ラヌモノガ……」
「取るに足らないのはあなたよ。ただのまぼろし……”エリュシオン”が視た泡沫の悪夢――――――帰るべき”無”に帰りなさい。」
二人の指摘を聞いて信じられない様子で呻いている終焉のイシュメルガに近づいたラピスが終焉のイシュメルガに指摘した。
「ッ………忌々シイ元管理者ガ……!貴様ノヨウナモノニ”エリュシオン”ハ渡サヌ……!」
ラピスに指摘された終焉のイシュメルガはラピスを睨みながら呟いたが
「ううん、誰の手にも渡らない。……もうとっくに決めていたの。”エリュシオン”は――――――削除する。すでにプロセスを実行したわ。」
「愚カナ……!!自分ガ何ヲ言ッテイルノカ分カッテイルノカ!?ヒトヲ、世界ヲ更ナル高ミヘト導ク奇蹟ノ産物ナノダゾ……!?」
ラピスの決意とその決意を既に実行済みである事を知ると信じられない様子でラピスを睨みながら指摘した。
「ううん……エリュシオンは、まだ人類には早過ぎた。そして、やがて到達する必然的な領域でもある。数年後か、数十年後か、数百年後になるかはわからないけど……いつか人類が再び”エリュシオン”を誕生させる時が来る。その時こそ正しい形で使われることを――――――私は祈ってる。」
(そう……その選択が今の世界の人々にとって正しい選択よ……私もいつか人々が”ミトスの民”の技術に追いつき、それらが正しく使われる事を祈っているように……)
(クレハ……)
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