第七百二十八話 キリンの習性その六
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「流石にな」
「そういったお話ですね」
「そう思う」
「やはり特殊ですね」
「だが同性愛はな」
「違いますね」
「カニバリズムの様に否定される場合もあったが」
かつてのキリスト教の様にというのだ。
「しかしな」
「その実はですね」
「別にだ」
「おかしなことではないですね」
「生物学的にもな」
「有り触れていますね」
「そうだ、だが」
ここで大尉はこうも言った。
「種の存続にはな」
「やはりならないですね」
「殆どの生きものでな」
「ムチトカゲでもないと」
「やはりない」
「そうしたものですね」
「そのことはな」
どうしてもという言葉だった。
「生きものの仕組みとしてだ」
「仕方ないですね」
「普通はな」
「普通は、ですか」
「同性愛、男同士でも女同士でもな」
どちらでもというのだ。
「非常に稀だが」
「子供が出来ることがですか」
「あるのだ」
「ごく稀に」
「神の悪戯だな」
「そうした話は創作でありますが」
「これが現実にもだ」
創作だけではなくというのだ。
「そちらの世界でもな」
「あるのですね」
「そうなのだ」
こう言うのだった。
「信じられないと思うがな」
「はい、それは」
上等兵も驚きを隠せず大尉に話した、二人の目の前では雄のキリンが並んでそのうえで仲良く餌を食べている。そうしたことはせずに。
「とても」
「だが実際にだ」
「あるのですね」
「報告もされている」
これもというのだ。
「歴史においてな」
「それは」
上等兵はその話をここまで聞いてこう言った。
「キリストがです」
「処女受胎したか」
「マリアにそうした以上の」
「奇跡ですね」
「あの受胎も色々言われているな」
「夫ヨセフと既にですね」
「結婚していてだ」
それでというのだ。
「生まれたとな、酷い話になるとだ」
「マリアが浮気をしていた」
「そんな暴論もあるが」
大尉は顔を顰めさせて言った、彼はキリスト教徒でもあるのでこうした説には不快感を隠せないのだ。
「しかしな」
「それはですね」
「違っていてな」
それでというのだ。
「やはりキリストはな」
「処女受胎ですか」
「最悪でも実は既にだ」
「ヨセフと結婚していた」
「そうなのだ、そしてだな」
「はい、そうしたことはです」
同性愛者同士で子供が出来ることはというのだ。
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