第十四章
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「それじゃあすぐにね。二十二年後にね」
「行くわよ」
「すぐにって言われてもなあ」
襟立はここまで話を聞いてもまだ浮かない顔をしていた。
「線路もないのに電車が来るわけないやろうに」
「話が滅茶苦茶じゃない」
「そうよね」
静香も恵美も本当に電車が来るとは思っていない。彼等の常識の中であくまで考えていた。
「来るわけがないし」
「けれど二十二年後には行きたいし」
「おお、来たぞ」
彼女達が言っているその側からだった。いきなり空から電車がやって来た。しかも二両だ。
「何や、空から電車がかいな」
「しかも二両!?」
襟立と静香はその二両の電車を見て驚きの声をあげた。あげずにはいられなかった。
「ホンマに出て来るなんて思わんかったで」
「まさかとは思ったけれど」
「さあ、乗って」
二両のうち白い方が一同の前に停まった。ハナが三人に言ってきた。
「これでね。二十二年後に行くわよ」
「まあ。そっちの世界に行けるんやったらな」
襟立はまだ信じられないといった顔だったがそれでもとりあえず前に出た。
そしてそこでデンライナーの車両の扉が開いた。するとそこからハナにそっくりの小さな女の子が出て来た。そのまま彼女が小さくなったかのようだった。
「じゃあ行きましょう」
「あれっ、この娘」
「ええ。この娘って」
襟立も恵もその女の子を見て目を点にさせた。
「ハナさんにそっくりなんやけれど」
「これって」
「私なのよ」
「私よ」
ハナとその女の子が同時に言ってきた。
「私は過去に戻ってデンライナーに乗っているのよ」
「それで私は今のハナなの。コハナって呼んで」
「ハナさんが二人なのね」
とりあえず静香は事情を簡単に理解した。
「時間を移動してそうなったのね」
「うん。わかりにくいだろうけれど」
良太郎がまた彼等に話してきた。
「そうなんだ。ハナさんが二人いないと結構戦力的に大変だったし」
「戦力なの」
「ハナは物凄く強いぞ」
デネブがすかさず三人に言う。
「その強さ。信用していい」
「こんな小さな娘が強いんかいな」
襟立はこのことも信じられないようだった。
「世の中ホンマ色々あるもんやな」
「とりあえず向こうは大変なことになっている」
桜井は早く行くように急かすように皆に告げてきた。
「早く行くぞ。さもないとあの世界が大変なことになるぞ」
「うん、そうだね」
良太郎が桜井の今の言葉に頷いた。
「それじゃあ今から」
「じゃあ乗りましょう」
恵が襟立と静香に言ってきた。
「嶋さんも」
「いや、私はいい」
だが彼は恵のこの誘いを断るのだった。
「私はこの時代に残ろう」
「行かれないんですか」
「向こうにも私がいる」
彼は言う。
「そ
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