第百七話 大人から言われたことその二
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「お上手でしたけれど」
「どうしたの?」
「いえ、動きが激しくて」
歌っている時のそれがというのだ。
「スカートがずり上がってました」
「あっ、確かに」
店長は言われて気付いた、タイトスカートがそうなっていた。
「あと少しでね」
「ストッキングのガーターまで見えていて」
「ショーツも見えそうね」
「スカートなおした方がいいです」
「わかったわ」
かな恵の言葉に頷いてだった。
店長は自分のスカートをなおした、そのうえであらためて言った。
「このスカートお気に入りだけれど」
「それでもですか」
「激しいダンスとかするとね」
「ずり上がるんですか」
「そうなのよ」
「そうしたスカートですか」
「そこが難点なのよ、女同士でもね」
かな恵に少し苦笑いになって話した。
「やっぱりね」
「見られたらよくないですよね」
「そうよ、下着はね」
「基本見せないものですね」
「誰にもね」
「女の子同士でも」
「ええ、ただね」
ここで店長は一華を見て彼女に言った。
「あんた見えてるわよ」
「えっ、私今ズボンですよ」
見れば青いスラックスである。
「それがどうして」
「ブラがよ、屈んだら」
そうしたらというのだ。
「胸元開いてるから」
「ブラ見えてますか」
「ブラもね」
ショーツだけでなくというのだ。
「あまりね」
「見せるものじゃないですね」
「女の子同士でもね」
性別は同じでもというのだ。
「そうしたものよ」
「そうですか、私結構」
「あんた前に下着だけでいたわね」
白いブラが見えることを自分でも確認して胸元のボタンを閉じた一華にだ、富美子はこう突っ込みを入れた。
「そうだったわね」
「ああ、夏ね」
「ブラとショーツだけでね」
「白でね、あれもね」
「よくないわね」
「そうよね」
富美子のその言葉に頷いた。
「やっぱり」
「女の子同士でもね」
「基本見せるものじゃないから、ただね」
店長は自分のスカートを見つつ富美子にも話した。
「この丈だと座って正面からだと」
「見えますよね」
「三角形でね」
「チラリでよくありますね」
「ちなみに黒だから」
店長は下着の色も話した。
「左右紐になってる」
「大人の下着ですね」
「ええ、多分高校生が見たら」
その下着をというのだ。
「もう後で自分で、でしょうね」
「そうなりますか」
「絶対ね、あんた達の年頃の男の子は」
即ち中高生はというのだ。
「そういうので頭が一杯だからね」
「あっ、それでなんですが」
留奈は店長の今の話を聞いて彼女に尋ねた。
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