第十二章
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「何なんや、一体」
「だから怪しい者ではない」
彼はまだ言う。
「紅渡に用があって来たのだ」
「渡に!?」
「そうだ。しかし彼の姿が見当たらないが」
「渡に何の用ですか?」
静香が彼に問うた。
「そもそも貴方が誰かもわかりませんし」
「何度も言うが怪しい者ではない」
あくまでこう主張するのだった。
「ただのイマジンだ」
「えっ、イマジン!?」
恵がイマジンと聞いてすぐに声をあげた。
「イマジンが何でここにいるのよ」
「あっ、いや」
これは彼の明らかな失言だった。
「何でもない。気にしないでくれ」
「気にするなっちゅう方が無理やろ」
すぐに身構えながら言い返す襟立だった。
「イマジンが何でこんなところにおるんや」
「まさかまた何かしようっていうの?」
「おい、オデブ何やってんだよ」
ここで目だけが赤い威勢のいい少年が出て来た。
「渡の野郎はここなんだろ?とっとと連れて行けよ」
「それがいないのだ」
オデブと言われたその緑と黒の男は赤い目の少年に応える。
「どういうわけかな」
「何ィ!?」
赤い目の少年は彼の言葉を聞いていよいよその声を荒くさせた。
「いねえってどういうことなんだよ、おい」
「それは俺にもわからない」
「わからないって何だよ!ここにいるっていうから来たんだぞ!」
「しかしだ。モモタロスよ」
「何かこの人達って」
静香は二人のやり取りを見て言った。
「あまり頭はよくないみたいだけれど悪い人達じゃないみたいよ」
「そうね。悪い奴はもっと賢く立ち回るわ」
恵も随分ときついことを言う。
「まず。ファンガイアとかそういうのとは関係ないみたいね」
「ああ、それはね」
急に赤い目の少年の目の色が青くなってついでに眼鏡までかけてきた。そして口調まで変えて恵達に応えてきた。
「実は紅渡君達にね。助太刀したいと思って」
「助太刀!?」
「ちゅうたらまさか」
「そう、それなんだ」
また緑の男が言ってきた。
「実はだ。今紅達は二十二年後の世界に行っていると思うが」
「何でそのこと知ってるんですか?」
「それは簡単だ。俺達はデンライナーに乗っていて」
「デンライナー!?」
「それじゃあまさか」
「そう、そのまさかさ」
また青い目の少年が変わった。今度は紫の目になりやけに子供っぽい調子になる。しかもよく見ればその髪にその都度メッシュが入りその色まで変わる。
「僕達ね。渡達を助けたいんだよ」
「また何でや?」
「だってライダーじゃない」
やたらと身振り手振りを交えながら言ってきている。
「同じライダーだからだよ。だから助太刀にね」
「今から行くっちゅうんか」
「そういうこと」
「渡りに舟ってことかしら」
恵は彼等の言葉を聞
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