敢闘編
第七十五話 国防委員長
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とも成功してほしいものだ」
「そうですね。そうなれば閣下は最高評議会議長も夢ではありません。来年は選挙と、選挙後評議会内で行われる最高評議会議長の選出投票がある筈ですから」
「軍を政争の道具にするなと言わなかったかね、君は…まあいい」
俺の言わんとした事が分かったのだろう、トリューニヒトの顔には同盟市民によく見せる微笑があった。現政権の支持率が高いのは対帝国戦が優位に進んでいる事、景気が上向きである事が主な理由だが、現議長のサンフォード氏が支持されているのではなくトリューニヒトが支持されているから、というのは評議会内どころか同盟市民全てにとっても周知の事実だった。もし議長になれたら、とは言ったものの、次の選挙でトリューニヒトとその与党は再選間違いないし、奴が最高評議会議長になるのは既定路線と言っても間違いはない。だけどそうなると後任の国防委員長は誰になるかだけど、まさかネグロポンティ?
もしそうだったら嫌だなあ…イエスマンで器は小さそうだし…査問会の被告にされそうだ。
「後任の国防委員長はどなたをお考えですか?」
「私はシトレ本部長を推すつもりだ。本人は了承している。シトレ本部長は現職を勇退後、選挙に出る。当選は間違いないだろう。新人評議員という事になるが実績を考えれば、適材だと思う」
思わず振り返ってシトレ親父を見てしまった。なるほどね。やけに静かだなと思ったら、引退とか何とかそういう事だったのか…。
「本部長、本当の話ですか?」
「本当だ。まあ当選すればの話だがね」
「となると軍のトップは…」
「ルーカス…いや大将としてはグリーンヒルの方が先任だから軍のトップはグリーンヒルだな。奴は誠実で有能、識見も深い。皆で支えれば本部長もこなすだろう」
なるほど、トリューニヒトが最高評議会議長、シトレ親父が国防委員長…ある意味最強かもしれないな。だが待てよ、これは軍の将官にしてみればつらいかもしれない。将官に関しては国防委員会が人事権を握っているから、シトレ親父がそこのトップになるという事は、将官に対する評価がおざなりになる事はない。これはある意味、今まであった様な縁故による優遇人事や猟官運動を禁止すると言っている様な物だ。軍部の質的向上を狙っての事だろうが、ううむ、俺も適当な事ばかり言っていられないって事だな…。まあ、これまで以上に適材適所の人事が行われる訳だから、ムーアとかルグランジュの様な阿呆が軍の中枢に座る事はないだろう。
「となると軍の人事も刷新されるのでしょうか、本部長」
「私が国防委員長という職に就いたら、そうなるかも知れないな。むしろ、そうして欲しいのだろう?」
「ええ、せめて艦隊司令官の方々は変えて欲しい人達が居ますね」
そう言つつトリューニヒトを見ると、奴は軽く肩をすくめた。
「という事は人事を刷新しない限
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