敢闘編
第七十五話 国防委員長
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戦争を賛美する、えせ愛国者に見えたかね?」
「そう思っている人達も居ます」
「多種多様な価値観こそ民主共和制の真骨頂だ。意外には思わんよ。それで君は今後の推移についてどう考えているのかね」
推移ねえ…。帝国の支配体制にひびを入れる、それを推進する…には違いないんだが、どうも帝国の反応が薄い。先日の戦いがそれだ。イゼルローン、アムリッツァと此方に奪われた訳だから、帝国としては国内を鎮める為にも威信をかけて奪還軍を催すだろうと思っていたんだがなあ……そもそもこの流れならミュッケンベルガーあたりが奪還軍を率いて出てくる筈なんだが、先日の帝国艦隊の司令官はクライストだった。正規艦隊だけで来るかと思ったらヒルデスハイム艦隊なんてのも交ざっていた…。まあラインハルトが参謀にいるくらいだ、まともな戦力のうちに数えられているのかも知れない…あれ?でもラインハルトはミュッケンベルガーに嫌われてなかったか?大貴族の補佐をラインハルトがやるのもおかしな話だし、帝国も色々と原作と変わってるんだよなあ……うーん…。
「閣下」
「なんだね」
「今後の方針ですが、閣下が最高評議会議長になられる迄は申し上げる事が出来ません」
「何故だね?」
「はい。現在の情勢は小官が予想していた物と多少異なります。それに閣下が小官の考えを採用して下さったとしても、評議会で覆される様なことになっては意味がありませんから…ですが小官自身としては再度状況を変える為にやってみたい事はあります」
「言ってみたまえ」
「通商破壊です。厳密には違いますが…同盟の消費財を帝国領…アムリッツァの周辺で売るのです」
「帝国に…密貿易という事かね?目的は何だ」
「アムリッツァ周辺の帝国領域…まあ帝国からすれば辺境です。帝国辺境には貴族には変わりありませんが、大貴族とは違う所謂在地領主が大勢います。辺境という事もあって、インフラ、流通、教育、医療…と、帝国中枢部から大きく立ち遅れています」
「ほう…イデオロギーではなく、まずは腹を膨らませるという事か」
「はい。空腹の相手と議論をしても、ろくなことはありません。まずは相手方には腹を満たしてもらって、同盟に対するマイナスイメージを少しずつ消していければと思います」
「よくもまあ、そんな事を思い付くものだな」
「優秀な部下が大勢いますので、小官自身は暇なものですから…それは置いておいて、おそらくこの通商破壊行動が再度帝国軍を引き寄せる事になるでしょう。その際はアムリッツァ駐留の同盟軍または同盟国内に残留する艦隊も動員し、出撃してきた帝国軍を殲滅します。これが成れば帝国の支配体制に更なる打撃を与えられます。和平、帝国への降伏勧告…どういう選択肢を採るにせよ、その選択に対する有利な条件を整えるには帝国軍を撃ち破らなければなりませんし」
「成程。是非
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