第九章
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「私がアストレイア。今言ってたじゃないですか」
「それはその通りだ」
言った本人である名護がそれを認めた。
「しかし。それでもその喋り方は俺も」
「喋り方はそれぞれですよ」
名護に言われても訂正しようとしない。
「まあそれはそれでいいじゃないですか」
「貴女がいいっていうんならそれでいいですけれど」
やはり紅が最も優しい。
「それでですね」
「あら、貴方が昔の紅渡君ね」
この言葉の辺りが時代を感じさせた。
「宜しく。スマートレディよ」
「それはわかってますけれど」
だが紅も彼女の喋り方には幾分引いてしまっているのも事実だった。
しかしそれでもだった。彼はスマートレディに対して問い掛けたのだった。とりあえずその喋り方はできるだけ意識しないように努力しながら。
「貴女達が死んだライダー達を蘇らせているんですか?」
「そうよ」
スマートレディは彼の問いに微笑んで答えたのだった。
「死んだライダー達もね。ちゃんと生き返らさせてもらったのよ」
「それはどうしてなんですか?」
「決まってるじゃない。ライダーはスサノオと戦う為にいるわよね」
「はい」
これは既に嶋との話でわかっていることだった。
「そうですけれど」
「だからよ。皆その為に何度も生き返ってもらいます」
「何度も、ですか」
「スサノオとの戦いが続く限り生き返ってもらいま〜〜〜〜〜す」
また明るく言うスマートレディだった。
「勿論君達もです」
「俺達は何度も生き返る」
登はこのことを聞いて目を顰めさせた。
「スサノオとの戦いが続く限りか」
「つまり。当分の間死ねないんですね」
「!?それってさ」
正夫は彼女の話と嶋の話を頭の中で重ね合わさせてそのうえである答えを導き出したのだった。
「僕達あの相川始さんだったっけ。かつてジョーカーだったあの人」
「あの人も今も戦ってますよ」
当然ながらスマートレディも彼のことは知っているのだった。最後のバトルファイト、ワイルドジョーカーとの決戦の時にも会っているのである。
「いい人ですよ。ライダーとしても」
「そのジョーカーと同じじゃないの?僕達ライダーって」
「そうだよね」
紅もそれに気付いたのだった。
「僕達って。何度死んでも生き返ってずっと戦うから」
「何度死んでも蘇って戦うことになる」
名護はここでまた腕を組んでいた。
「俺達は。その運命にあるのか」
「それがライダーの宿命だ」
嶋はまた正面を見ていた。机の上を見ながら話をするのだった。
「それがな」
「ライダーの宿命」
「何度死んでも蘇り」
「そうして戦う」
紅、名護、登の二十二年前の三人のライダー達がそれぞれ言葉を出した。
「やっぱりジョーカーと同じですよね」
「あのジョーカー
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