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第四十六話 結想その十

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「何かあるな」
「信じてくれるの」
「小鳥は嘘は言わない、それにだ」 
 このことに加えてというのだ。
「小鳥も力があるからな」
「神威ちゃん達みたいな」
「そうだ、それがあるからな」
 だからだというのだ。
「議事堂に何かあるかもな」
「調べてくれる?」
「そうしよう、ただな」
 神威は小鳥を見詰めて彼女に告げた。
「小鳥には何もだ」
「怒らない様にしてくれるの」
「言った筈だ、小鳥は俺が守る」 
 ここでもこう言うのだった。
「だからな」
「それでなの」
「小鳥に何かしようとする奴がいるなら」
 それならというのだ。
「必ずな」
「その誰かをやっつけて」
「小鳥を守る」
 そうするというのだ。
「だからだ」
「私自身のことは心配いらないの」
「安心してくれ、いいな」
「神威ちゃんがそう言うなら」
 小鳥も確かな顔で頷いた。
「そうした気持ちでいるわ」
「宜しく頼む、そしてだ」
 神威はさらに言った。
「一度議事堂はな」
「調べてくれるの」
「若しあの場所に何かあるなら」
 小鳥の言う通りにというのだ。
「姫様がいる」
「丁様が」
「あの人に何かあっても駄目だ」
「そうね。大切な方だから」
「だからな」 
 このこともあるからだというのだ。
「何としてもな」
「議事堂はなのね」
「調べる、ではな」
「そのこともお願いね」
「そうする、そして戦いは」
 またこちらの話をするのだった。
「もうすぐな」
「終わらせるのね」
「そうするからな」
「また三人でね」
「暮らそう」
「わかったわ、それでね」
 小鳥はまた神威に話した、今度は笑顔だった。
「今夜だけれど」
「ご飯のことか」
「うん、今夜は蟹鍋だから」
「蟹か」
「そう。皆で食べようね」
「わかった、鍋は色々入っていてな」
「栄養もあるしあったまるから」
 だからだというのだ。
「いいよね」
「それなら空汰にもな」
「持って行くね」
「そうしよう、それにだ」
「それに?」
「何かな」
 カムイはこうも言った。
「空汰は蟹は好きだと思う」
「あっ、関西の人だから」
 小鳥は神威のその言葉にはっとなって頷いて言った、そのうえで微笑んで彼に対してこうも言ったのだった。
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