第四十六話 結想その九
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微笑んだ、空汰は彼女のその顔も見て言った。
「やっぱり別嬪さんやな」
「そう言うの」
「ほんまのことやからな」
「褒めても何も出ないわよ」
「嵐の笑顔見られるだけでええわ」
「そうなの」
「それで充分やわ」
こうした話をするのだった、そしてだった。
嵐は空汰を常に学校から帰ると彼の部屋にいて看病をする様になった。神威はそれを見て小鳥に微笑んで話した。
「空汰もこれでな」
「安心出来るわね」
「ああ、それにだ」
神威はさらに言った。
「天の龍で戦えるのは今四人だが」
「地の龍の人達は」
「学校で封真に言われた」
他ならぬ彼にというのだ。
「今は三人だとな」
「三人なの」
「桜塚星史郎以外は生きていると言っているが」
それでもというのだ。
「今戦えるのはな」
「三人ね」
「残り四人で三人を戦えなくすればな」
地の龍の彼等をというのだ。
「戦いも終わる、だからな」
「戦いもすぐに終わるわね」
「そうなる、だからな」
それ故にというのだ。
「ここはな」
「最後に向けて」
「戦う、そうする」
「頑張ってね、そして」
「封真もな」
「戻ってくれるわね」
「そうなる、絶対にな」
「そうよね」
「だからな」
それでというのだった。
「あと少しだけだ」
「我慢すればいいのね」
「小鳥もな」
「私信じてるから」
小鳥は神威に答えた、洋館の一室から共に窓の外の青空と雲を見ながら話す。
「きっと今残っている皆が笑顔になれる様な」
「結末になるか」
「私も生きてるし」
死ぬ筈であったのがというのだ。
「だからね」
「そうか、それならな」
「うん、このままね」
是非にというのだった。
「私は待つから」
「そうしてくれるか」
「ええ、ただ」
ここで小鳥はふと暗い顔になった、そのうえで神威に言った。
「私時々議事堂から変なものを感じるの」
「俺達の拠点からか」
「気のせいかも知れないけれど」
それでもというのだ。
「何か得体の知れない」
「変なものをか」
「火の様に激しく燃える様な」
そうしたというのだ。
「嫌なものをね」
「感じるのか」
「気のせいかしら」
「いや、小鳥がそう感じるならだ」
それならとだ、神威は小鳥の言葉を否定せずに答えた。
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