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第四十六話 結想その五

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「こちらもだ」
「二人ね」
「そうなるがいいか」
「仕方ないわ。彼に何かあったら」
 剣を手にしたままだ、嵐は答えた。
「その方が嫌だから」
「だからか」
「貴方達が二人になっても」
 それでもというのだ。
「私は戦うわ」
「それ言うたらわいもや」
 空汰もその嵐の横で言って来た。
「まだや」
「戦うか」
「ああ、そうさせてもらうで」
 こう言うのだった、そしてだった。
 二人で戦おうとする、だがここで不意にだった。
 嵐は空汰の左肩を見てそのうえで言った。
「貴方肩が」
「あっ、何時の間に」
 空汰も言われて気付いた、見れば怪我をしていて血が流れている。
「やられたんや」
「その怪我では戦っては駄目よ」
 嵐は真剣な顔で告げた。
「だから」
「下がるべきか」
「ここはね」
「なら戦いは中断だな」
 封真も空汰の傷を見て言った。
「それにその傷なら暫くは戦えないな」
「それやとええんか」
「俺は一人でも天の龍で戦える者を減らしてくれと言われていた」
 このことをここで言うのだった。
「それが果たせたのならな」
「いいか」
「怪我は手当てしてくれ」
 空汰に穏やかな顔で告げもした。
「そうしてくれ」
「わいを殺すつもりもなかったしか」
「そうもならなくてよかった」 
 封真は微笑んでこうも言った。
「だからな」
「それでか」
「これでだ」
 最早と言うのだった。
「いい、だからな」
「去るんか」
「そうさせてもらう、ではな」
「ああ、またな」
 空汰も言葉を返した、そうしてだった。
 封真は戦場を後にし後には空汰と嵐が残った、嵐は二人だけになると彼に対してあらためて声をかけた。
「それじゃあ」
「ああ、相手も帰ったし」
「これでね」
「わい等も帰るか。しかし」
 ここで空汰は顔を歪めて言った。
「結構な」
「痛いの」
「骨までやられたか」  
 痛みを堪える顔でこうも言った。
「これは」
「ならね」
「尚更やな」
「怪我を治す為にも」
「すぐに戻ろうか」
「そうしましょう」
 こう話してだった。
 二人も帰った、そして空汰を見てだった。神威はこう言った。
「生きていればだ」
「それでええか」
「怪我の治療に専念してくれ」
 空汰本人に対して告げた。
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