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第四十六話 結想その四
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「顔見知りでな」
「しかも悪感情ないしな」
「それでも戦うことになるか」
「お互い因果やな」
「全くだ、だが戦うからにはな」 
 真剣な顔になってだ、封真は話した。
「お互い遠慮も容赦も出来ない」
「ああ、全力でいこうな」
「殺すつもりはない、しかしな」
「ああ、こっちもそうなるつもりはないわ」
「それは何よりだ、ではな」
「お互い全力でいこうな」
 二人はこう言葉を交えさせてだった。
 そのうえで戦闘に入った、地上でお互いに衝撃波密教の印を結んだうえで術を放ち攻防を繰り返す。
 やがて地上から空中に舞い上がりそこでも闘う、その中だ。
 空汰は封真の攻撃を身体を左に捻ってかわしてから言った。
「いや、今も受けてたらな」
「かなりの一撃になっていたな」
「わいはそれで戦線離脱してたわ」
「そうだったな、俺もだ」
 封真は空汰の攻撃を上に飛んでかわして言った。
「今の攻撃をだ」
「受けるとかいな」
「闘えなくなっていた」 
 そうだったというのだ。
「それでな」
「そやったか」
「そうだった」
 まさにというのだ。
「今のはな」
「わいも負けてへんか、しかしな」
 封真を空中に立ったうえで見据えつつ言った。
「苦しいわ」
「力は俺の方が上か」
「どうもな、しかしな」 
 それでもというのだった。
「わいも負ける訳にはいかへんからな」
「闘うな」
「ああ、まだやるぜ」
「俺もだ、全力のままでだ」
 封真も空中にいる、そこから前に動いて言った。
「行かせてもらう」
「そうするな、あんたも」
「こうしてな」
 強い声で言ってだった。
 封真は突進しながら両手からそれぞれ気の弾丸を放ち続けてきた、空汰はそれを左右に動いてかわすが。
 最後の一撃はかわし損ねた、それで彼は咄嗟に防ごうとしたが。
「後ろに退いて」
「後ろ?」
「その攻撃の射程はギリギリだから」
 だからだというのだ。
「ここはそうして」
「ほな」
 その声に従ってだった。
 空汰は攻撃を後ろに退いた、ほんの一歩だったがそうした。すると封真が出したその気はそこで消えた。
「助かったわ」
「間合い歯を計り損ねたな」
 封真もそれを見て言った。
「そしてよくかわした」
「ほんま危なかったわ」
「だがかわした、そして」
 封真はさらに言った。
「今の声は」
「私よ」
 その声の主が出て来た、影の様にすっと出て来たが。
 それは嵐だった、嵐は剣を左手に持ち出て来て言って来た。
「危ないと思ったから」
「助けに来たか」
「ええ、貴女は強いわ」
 封真を見据えて彼に告げた。
「流石に彼でもね」
「分が悪いか」
「そう思って来たら」
「今の通りか」
「本当に危なかったわ」
 
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