第七百二十七話 象の過去その九
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「それも非常に」
「そうだな、だがそうした教訓はな」
「非常に嫌なそれは」
「人の心に残ってだ」
そうしてというのだ。
「羞恥心や罪悪感、悼むものになってな」
「自分がしたことではないにしても」
「そうなってだ」
人の心に残ってというのだ。
「貴重な教訓にだ」
「なりますね」
「そうだ、そしてだ」
そのうえでというのだ。
「そうしたことをさせないのだ」
「二度と繰り返さない、ですね」
「人は確かに過ちを犯す」
このことは事実だというのだ。
「だがその過ちから学びもする」
「そうして成長もしますか」
「そうだ、そしてそこから成功もしてだ」
過ちへの反省からというのだ。
「栄光も手にするのだ」
「そうなのですね」
「最初から楽園は築けない」
人間はというのだ、大尉は上等兵に話しつつ人間の不完全さ未完成さについて考えそのうえで言うのだった。
「しかしな」
「徐々にですね」
「過ち試行錯誤を繰り返し」
そうしてというのだ。
「失敗もだ」
「していき」
「そのうえでだ」
「楽園もですね」
「傷けるのだ」
「そうなのですね」
「だからな」
そうしたものだからだというのだ。
「虐待という醜悪な過ちもな」
「知ることですか」
「知るには辛い」
大尉は顔を顰めさせてこの言葉を出した。
「非常にな」
「残酷な話なので」
「そして醜悪でもある」
「そうした話なので」
「知りたくない話だ」
どうしてもというのだ。
「絶対にな、しかしな」
「知ればですね」
「教訓になる」
「人間にとって」
「何故なら知ればだ」
そうすればというのだ。
「自分は絶対にすまい」
「そう思いますね」
「そう思う様になってだ」
そしてというのだ。
「実際にしなくなるからな」
「だからですね」
「知ることだ、人間に対する虐待もな」
「同じですね」
「教師が機嫌次第で生徒を殴って蹴って罵る」
先程学校の中を観て回ってそして今いる動物園が学園の敷地内にあることから意識してそうして話したことだった。
「そんなこと大抵の者は知ればだ」
「嫌になりますね」
「そして自分はな」
「絶対にすまいと誓いますね」
「自分がそうされると思えばだ」
その様な虐待を受けるとだ。
「誰がするか」
「そうですね」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
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