第百六話 浮気者その八
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「それでね」
「皆知ってるからね」
「それで誰かが知ったら」
「噂で流れるしね」
「悪事千里を走るね」
かな恵はこの言葉も出した。
「それで見ていて誰も言わなくても」
「心の中では思うからね」
「悪い人とか信用出来ない人とか」
「それで報い受けるわね」
「やがてね」
間違いなくというのだ。
「浮気したら」
「他のこともね、まあ世の中ってね」
理虹はこうも言った。
「悪事がばれても平気な人いるわね」
「訴えられないとね」
「それで訴えられても実刑にならないとね」
「平気な人いるわね」
「自分しかなくて」
それでというのだ。
「どれだけ評判悪くなっても自分の地位やお金があったら平気」
「権力とかあったらね」
「本当にこんな人もいるからね」
「本物の悪人がね」
「けれどそうした悪人こそね」
理虹は言った。
「報い受けるわね」
「何時かね」
かな恵も応えた。
「そんな人誰も信用しないしね」
「平気で嘘吐いて騙すの目に見えてるし」
「何時かね」
「報い受けるわね、何も起こらず逃げ切った風に見えても」
「実は、とかね」
「あるしね、それで死んだ後も」
理虹はそれからも話した。
「地獄に落ちるわよ」
「間違いなくね」
「私思うけれど地獄に落ちる人は少ないわよ」
「そうなの」
「だって六道あるし」
極楽、人、修羅、畜生、餓鬼、そして地獄である。地獄は六道の中でも最も悪い世界だとされている。
「キリスト教だと地獄、煉獄、天国ね」
「三つあるわね」
「一番悪いところでしょ」
「どの宗教でもね」
「そこに落ちる人なんてね」
それこそというのだ。
「正真正銘のね」
「本物の悪人ね」
「そうした人がね」
「落ちて」
「普通の人はね」
そう言っていい人物はというのだ。
「そうはね」
「落ちないわね」
「今言ったみたいな」
「悪事がばれても実刑にならない限り平気な」
「本物の悪人でないと」
そうでなければというのだ。
「地獄にはね」
「落ちないのね」
「そうでしょ」
こう言うのだった。
「流石にね」
「そうなのね」
かな恵は理虹の話を聞いて頷く様に言葉を返した。
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