暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第181話:優しい壁
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ハンマーで殴り飛ばされた2人だったが、ギアで上手く威力を受け流した事で難なくやり過ごす事に成功。それどころかプレラーティの前方に降り立つ事に成功した。

「駆け抜けるぞッ!」

 翼の言葉を合図に、2人のギアが大きく変形。翼のバイクと2人のギアが合体し、前方に刃を備えたチャリオットとなって突撃。それを見てプレラーティも、スペルキャスターを大きく変形させ前方に杭を備えるこちらもチャリオットのような形態となって迎え撃つ。

「サンジェルマンに……告げなくてはいけないワケダッ! こんなところでぇぇぇッ!」

「アダムは危険だとッ! サンジェルマンに伝えなくてはいけないワケダッ!」

 覚悟を胸に、2人の連携技に向け突撃するプレラーティ。翼と調もそれを打ち破るべく、全力でギアを動かし相手を粉砕するつもりで突撃した。

[風月ノ疾双]
「「おぉぉぉぉ――ッ!」

 共に魂を震わせるほどの叫びを上げながらのぶつかり合い。当たれば確実にどちらかが倒れるだろうと思われたその勝負は――――




「サンジェルマン――サンジェルマァァァンッ!?」

 プレラーティのチャリオットが正面から粉砕され、彼女は爆発の中へと消えていった。

 翼と調は、その爆炎の中から飛び出すと勢いを殺し切れずバランスを崩してその場に倒れた。あちこちが罅割れた道路の上で、2人は燃え盛る炎を見ながら起き上がった。

「勝てたの……?」

 調が信じられないと言った様子で呟く。切歌とならいざ知らず、翼との連携で本当に強敵に勝てたことが信じられなかったのだ。
 彼女の不安をかき消す様に、翼が勝利を確信した言葉を紡ぐ。

「あぁ、2人で掴んだ勝利だ」

 パヴァリア光明結社の幹部との戦いに勝利した。その達成感を2人で噛み締めていると、後ろからバイクのエンジン音が聞こえてくる。
 まさかもう一般車両が来たのかと一瞬驚きながら翼が振り返ると、そこにあったのは見知ったバイクに跨る奏だった。

「よ! お疲れ、2人共」
「奏ッ!」
「奏さん? それ、颯人さんのじゃ?」

 奏が跨っているのは颯人の愛車である筈のマシンウィンガー。基本彼が移動手段として用いている筈のそれに、奏がハンドルを握っているのは違和感しかなかった。彼女は基本彼の後ろにタンデムしているからだ。

「あぁ、颯人なら……そっち」
「「そっち?」」

 調の疑問に奏は2人の後ろを指差す事で答える。その指の先を追ってもう一度燃え盛る炎を見ると、その瞬間強烈な風と共に燃え盛っていた炎は吹き飛ばされ後には大きく凹んだ道路とその中心に佇むウィザードに変身した颯人の姿があった。彼の腕の中には、気絶して元の姿に戻ったプレラーティも居る。

 一体どういう事かと翼が奏を見れば
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