第八十五部第三章 北京星系を見てその四十二
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「フィンランドとロシアでは違ってだ」
「ロシアのものはより低温です」
「同じサウナでも」
「ここまで高温ではないです」
「そこが違いますね」
「スチームサウナともまた違う」
ロシアのサウナはというのだ。
「それがな」
「どうもですね」
「不満と言えば不満ですね」
「そのことが」
「我々としてはな」
ロシア人としてはというのだ。
「いささか。だがだ」
「それでもですね」
「いい汗はかけています」
「実に気持ちがいいです」
「サウナはいいものだ」
グリーニスキーは汗だくになって笑って話した。
「実にな」
「汗をかき身体の中の毒素を出してくれます」
「そうして健康にしてくれます」
「まことにいいものです」
「サウナは最高です」
「汗を流し身体も奇麗にし」
かつては木の枝で叩いていてそうしていたがこの時代では石鹸やボディーソープにタオルやスポンジを使って身体を洗う。
「そしてですね」
「その後は、ですね」
「ウォッカが待っています」
「我々を」
「そのウォッカも飲んでだ」
そしてというのだ。
「今夜も休もう」
「そうしましょう」
「是非共」
「今宵も」
「それでだが」
グリーニスキーはスタッフ達にこうも話した。
「流石にこの部屋まではないが」
「それでもですね」
「盗聴には注意ですね」
「中央政府のそれには」
「中央政府もだが」
相手となるこの政府だけではなくというのだ。
「味方にもな」
「注意ですね」
「それが必要ですね」
「彼等についても」
「左様ですね」
「結局は呉越同舟、同床異夢だ」
今の各国政府の糾合はというのだ。
「手を結んでいてもな」
「思惑はそれぞれです」
「各国で求めるものも違います」
「そして相手の腹の探り合いもしています」
「お互いに」
「我々の宿泊先はわかっている」
グリーニスキーは冷静な目で述べた。
「既にな」
「中央政府にも各国政府にも」
「そうなっていますね」
「それならですね」
「我々もですね」
「盗聴には注意だ」
会話を盗み聞きされることはというのだ。
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