夜戦編 蒼き女豹と仮面の狙撃手 最終話
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る。細く引き締まった腰つきが、特大の爆乳と巨尻の膨らみを際立たせていた。
「私も……そろそろ、次の『仕事』に戻るとしましょうか。新しい『依頼人』を失望させないように……ね」
その外骨格を纏う女傑――真凛・S・スチュワートの双眸は、冷たく鋭利な闘志を宿している。ジャスティアタイプの開発者・一光という新たな「雇い主」を得た彼女は、優雅な歩みで「次」の戦場を目指していた。聖夜の贈り物として光から託されたジャスティアドライバー。そのベルトに適合している真凛の肉体は、すでに「悪魔の力」に魅入られていた。
「さぁ……今度は誰で、この『力』を試そうかしら?」
仮面の下で、蠱惑的な笑みを溢す真凛。妖しく微笑む彼女の手に握られた三叉槍はすでに、悪しき改造人間の血に汚れていた。かつて味わった「恥辱」の苦しみさえ糧にした彼女は、串刺しにされている男の呆けた死に顔を仰ぎ、嗜虐的な微笑を浮かべている。
やがて、得物に纏わり付いた血を振り払うように。彼女は三叉槍をビュンと真横に振り、構成員の遺体を吹き飛ばしてしまった。その弾みで、スーツを押し上げる爆乳と巨尻がぶるんっと左右に揺れる。
歩道脇のゴミ捨て場に叩き付けられた遺体は力無く横たわり、その骸の血がこの場の雪景色を赤く染め上げていた。文字通り、路傍に打ち捨てられた生ゴミのような扱いだ。
――約1年前。自分達のアジトに潜入していた真凛を捕らえ、媚薬漬けにした上で苛烈な「拷問」を加えていたノバシェードの構成員達。その数少ない「生き残り」だった男は、見るも無惨な死体と化して転がっている。一度は真凛の肉体を徹底的に「調教」し、「屈服」する寸前まで追い詰めたこともある因縁の男。そんな彼は、かつて自分が堕としかけた女に一瞬で抹殺されてしまったのである。
そんな哀れな暗殺者の末路を、一瞥もせず。真凛ことウェペルは三叉槍の柄を背中に装着すると、眼前に停められていた青いボディの愛車に跨り、この場から走り去ってしまう。眩い輝きを放つ丸型のヘッドライトが、彼女の行先を照らし続けていた。
規格外の馬力を物語るように、車体のマフラーから猛炎が噴き出す。ノバシェードが滅びる日まで、彼女の旅が終わることはない。彼女がバイクを降りる時は、世界が平和になった時なのだから――。
◆
その後。シャドーフォートレス島やニューヨーク支部の壊滅を受けてノバシェードの残存勢力はますます衰退し、組織はより弱体化されて行った。戦いの終わりは近い。間も無く悪の組織は滅び、世界を股に掛ける闘争の日々は仮面ライダーの勝利によって幕を閉じる。
誰もがそう信じていた。疑いもしなかった。だが、翌年の2021年1月――ライダー達の完勝で終わるはずだ
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