夜戦編 蒼き女豹と仮面の狙撃手 最終話
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ていた。
「そんなはずはないわ。他の新世代ライダー達は全員、他の現場に散っているはずよ。どうせあなたのことだから、市警に配備された試作量産型と見間違えたのでしょう? 馬鹿なこと言ってないで、今夜くらいは家族と一緒に居てあげなさい。あなたが担当していた事件の記録なら、私が代わりにチェックしておくから」
家族愛に溢れている、既婚の同僚男性。そんな彼から掛かって来た緊急電話の内容にため息を吐きながら、ヘレンは一方的に通話を切ってしまう。自分のことより「家族サービス」を優先しろ、と言い切る彼女はガチャリと受話器を置き、目の前のキーボードを叩きながら不遜に鼻を鳴らしていた。
(……数ヶ月前のシャドーフォートレス島事件。あれは確かにノバシェードが関連した事件ではあったけれど、実態としては「某国陸軍の暴走」と呼ぶ方が適切な状況だった。スパルタンシリーズ……あんなモノが密かに存在していたなんて、今でも信じられない)
そんな彼女の脳裏に過ぎるのは、数ヶ月前に経験したシャドーフォートレス島事件の光景。そこで目の当たりにした「惨状」は、今も彼女の記憶に深く焼き付いている。ミサイルスパルタンの凶悪な巨体を思い出すたびに、ヘレンは独り眉を顰めていた。
それに、ギルエード山地で起きた謎の爆発事件も、実質未解決のままとなっている。どうやら彼の国を巡るノバシェードとの悪縁は、まだまだ断ち切れないようだ。
(それにしても……彼が担当していた事件は、あまりにも惨過ぎるわ。市街地に潜んでいたノバシェードが何者かに襲撃され、現場が血の海になっていたなんて……)
シャドーフォートレス島事件やギルエード事件だけではない。実は同時期に別の市街地でも、ノバシェードのアジトが突然何者かに襲撃されるという怪事件が起きていたのだ。しかもその事件には新世代ライダーも対策室も一切関与しておらず、捜査官達が現場に到着した頃には、すでに凄惨な血の海が広がっていたのだという。同僚が担当していたその事件の記録に目を通すヘレンは、あまりの内容に剣呑な表情を浮かべていた。
可憐な巨乳美少女が、悍ましい「悪魔の仮面ライダー」に変身する瞬間を見た。その怪物が血の海を作り上げた。そんな荒唐無稽な目撃情報も上がっている。普通なら、居合わせた者達の錯乱が生み出した幻覚の類と断じているところだ。しかし、超常的な怪人達と常に対峙する立場にある対策室としては、簡単に無視するわけには行かない。
(ノバシェードに苛烈な攻撃を加えているという「悪魔の仮面ライダー」……。恐るべき存在は、ノバシェードだけじゃない。それ以外の何かが、確実に動き出している……)
ギルエード山地での爆発事件といい、この怪事件といい。シャドーフォートレス島で見た、真凛・S・スチュワ
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