第二章
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紅達はそのネットからこの時代のことを学んだ。とりあえずおおまかなことはわかった。
「食べ物の味も変わってるね」
「そうだな」
登が紅の言葉に応えていた。彼等は今ハンバーグハウスに入ってそこで特大のハンバーグを食べながら話をしていた。ハンバーグはどれも優に一キロはある。だが皆そのハンバーグを平気な顔で食べ進めていた。
「和風になっているな」
「うん。ソースがお醤油で」
「これはこれでいい」
登の好みの味らしい。わりかし上機嫌で食べ続けている。
「濃厚な味もいいがこうした味もな」
「うん。確かに」
「パパの時代じゃ西洋風が多いの」
正夫もまたその和風ハンバーグを食べている。彼のものはその上に目玉焼きが置かれている。
「僕の時代じゃアメリカ風に中国風にメキシコ風にね。あとタイとかベトナムもあるよ」
「太平洋というわけだな」
名護は正夫の出した国名からそれを悟った。
「そうか。この時代はエスニックが主なのか」
「エスニックって!?」
これは正夫にはわからない言葉らしい。目をきょとんとさせていた。
「太平洋風ならあるけれど」
「そういう名前になっているのか」
「まあパパの時代じゃそう言うのかも」
やはり彼の知らない言葉だった。
「まあとにかく。料理の味は和風とかが多いから」
「それは食べやすくていいね」
ラモンはそのことにとりあえず安心していた。
「僕あっさりしたのが好きだから」
「コーヒーは変わらないな」
次狼はコーヒーも飲んでいた。
「これは何よりだ」
「そういえば」
紅はコーヒーと聞いてふとあることを思い出した。
「あのお店まだあるのかな」
「お店って?」
「カフェ=マル=ダムール」
正夫に対してその店の名を話した。
「まさかとは思うけれど。あの店はまだ」
「いや、それは有り得ない」
名護は紅のその言葉の可能性を完全に否定した。
「この時代は俺達の時代から二十二年後だ」
「はい」
「それであるとは思えない」
彼はかなり現実的な意見を述べていた。
「少なくともあのマスターがいる筈がない」
「そうですよね。それはやっぱり」
紅もそう考えるしかなかった。
「いえ、僕達の時代で五十五歳ですから今七十七歳ですよね」
「だとしたらもう引退している」
死んでいないとしてもそれだと思うのだった。
「絶対にな。今店にはいないだろう」
「そうですよね。やっぱり」
紅もそういうように考えた。やはり答えはそれしかなかった。
しかしだった。正夫の返答は。過去から来た面々にとっては驚くべきものであった。
「カフェ=マル=ダムールだよね」
「むっ!?」
力がその言葉に反応を見せる。
「まさか」
「あるよ。ちゃんとね」
能天気なまでに明るい声で
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