第四幕その二
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「自分も助けるんだよ」
「そのことは僕もよくわかるよ」
腹ペコタイガーも言ってきました。
「臆病ライオン君も他の人も見てね」
「そうだね、私もだよ」
魔法使いは腹ペコタイガーの言葉に頷きました、今皆は爬虫類のコーナーにいる鰐や蛇、蜥蜴や亀を観て回っています。臆病ライオンはその中で足下にいる虫達を踏まない様に気を使っているのです。
「優しさがどれだけ素晴らしいものか」
「そして自分を助けるかね」
「オズの国は皆がね」
「そのことがわかっているからね」
「素晴らしいよ、そして人の優しさを見て」
そうしてと言う魔法使いでした。
「さらに優しくなろうとしているよ」
「そうだね、自分さえよければいいのなら」
それならと言うトトでした。
「昔のノーム王みたいにね」
「嫌われてね」
「最後は誰からも助けてもらえなくなるよ」
「堂々と自分さえよければいいと言って意地悪ばかりする人なんてね」
「何があってもね」
「誰も助けないよ」
「むしろ攻撃されるね」
外の世界で起こることをです、トトは言いました。
「そうなるね」
「そうなるよ、絶対にね」
「そうだよね」
トトは魔法使いの言葉に頷きました。
「かえって自分をね」
「追い詰めるね」
「情は人の為にならず」
「まさにその通りだよ」
「そうね、それに優しさは勇気の源でもあるわね」
ドロシーは臆病ライオンと今はのどかに寝ている蛇を一緒に観つつ言いました。
「優しいからこそね」
「勇気があるんだ」
「そうよ、本当の優しさはね」
ドロシーは今も臆病ライオンの背中に乗っているボタンにお話しました。
「誰かの為に動けるものよね」
「その人のことを想って」
「だからよ」
それでというのです。
「本当の優しさを持っているとね」
「勇気も持っているんだ」
「だから臆病ライオンもよ」
他ならぬ彼を見つつお話します。
「ちゃんとね」
「勇気を持っているんだね」
「そうなのよ」
「そうなんだね、しかしね」
臆病ライオンはドロシーのお話をここまで聞いて彼女に言いました。
「僕が思うにね」
「どうしたの?」
「いや、かかし君が知恵で」
オズの国一の知恵者である彼のことを見て言うのでした。
「樵君が優しさで」
「貴方は勇気ね」
「それぞれ欲しくて」
「魔法使いさんにそれぞれオズの国一のそれの持ち主って言われたわね」
「そうだけれど」
「君達全員が備えているよ」
臆病ライオン達に言った魔法使いの言葉です。
「知恵も優しさも勇気もね」
「僕達がだね」
「そうなんだね」
「三つ共備えているんだね」
「そうだよ、それぞれ最も強いものを持っていてもね」
魔法使いは臆病ライオンだけでなくかかしと樵にもお話し
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ