放課後にて
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近い。
未来は一樹を……つまりは異性を前に完全に無防備だし、響に至っては一樹の肩に手を置いて話している。
「うわぁ……」
「デ〜ス……」
「……な?」
完全に感覚が麻痺し切ってる3人に、後輩コンビも若干引いている。
「なぁ……誰か止めろよ……アレ……」
「えぇ……?無理ですよ……。クリス先輩が止めて下さいよ……」
「は……!?」
目の前で、無自覚にイチャつく3人を止めろ、というとんでもない仕事を任されたクリスは顔を引き攣らせる。
「言い出しっぺはクリス先輩デ〜ス……」
「い……いや……それはそうだけど……!」
「ジー……」
「ジー……デス……」
「お……お前ら〜……ッ!?あぁ!!もう!!分かったよ!!やればいいんだろ!やれば!」
後輩2人の無言の圧力にクリスは耐え切れず、半ば押し付けられる形で引き受ける羽目になった。
「な……なぁ?お前ら……?」
「んぇ?」
「何すか?」
「どうしたの?」
3人はクリスの呼び掛けに反応して、そちらを見た。
「あ……あのよ……お前ら……近すぎないか?」
「へ?何が?」
「その………距離が……」ボソッ
「え?ごめん、なんて言ったの?」
「だ!か!ら!距離だよ!距!離!」
「はい?」
「『はい?』じゃねぇよ!!さっきからお前らは人前でベタベタイチャイチャと……!そういう事は家でやれ!!」
「ク……クリスちゃん?急にどうしたの?」
「イチャイチャって……なんの事っすか?」
「わ、私たちは普通に話してたつもりだけど……」
「はぁ!?」
「それに、距離が近いとか言われても……」
「普通じゃないの?」
「うん。昔からこうだし」
「ウガッ……」
あまりに無自覚な3人に、クリスはガックリと項垂れた。
そして……。
「あ"〜も"う"!!だからやりたくなかったんだよ!!」
「うおぉ!?」
「クリスちゃん!?」
「ちょっ……!?何!?」
ついにキレた。
「本っ……当にいい加減にしろよ!!
この鈍感共がッ!!いつもいつも人前でイチャつきやがって!!少しはそんなもん見せつけられるこっちの身にもなりやがれ!!」
「ゆ……雪音先輩!?なんで怒ってるんですか!?」
「クリスちゃん、落ち着いて!!」
「急にどうしちゃったの!?」
顔を真っ赤にして怒鳴るクリスと、それを宥める幼馴染トリオ。そして、その原因を作ったといってもいい後輩コンビはというと……。
「およよ……クリス先輩がプッツンしちゃったデ〜ス……」
「あらら……」
「なに他人面してんだ、そこのダブルバカッ!!!」
「「ひゃいっ!?」」
クリスの悲痛と怒りに満ちた声がこだました……。
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