【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第4章】Vividの補完、および、後日譚。
【第7節】キャラ設定4: ヴィクトーリア・ダールグリュン。
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、翌75年の初頭には、ジークリンデもまた12歳で義務教育課程を修了し、一旦は実家に戻りました。
しかし、彼女の家族はみな、魔力の無い普通の人間たちです。
しかも、ジークリンデは8歳の時に「エレミアの力」を一度ならず暴発させてしまっており、家族や近所の友人たちは、まだ「四年前の恐怖」を忘れてはいませんでした。
ジークリンデに対して、頭では『努めて以前と同じように振舞おう』と考えてはいても、無意識のうちに腰が引けてしまいます。
(魔力の無い普通の人間が、強大な魔力の持ち主に対して恐怖を感じるのは、ごく当たり前のことでした。)
やがて、ジークリンデは『ここには、もう自分の居場所は無いのだ』と悟りました。
もちろん、誰も悪くなどありません。みんな、本当に慎重に、彼女に気を遣ってくれています。
でも、それはつまり、『みんな、もう「慎重に気を遣いながら」でなければ、彼女に接することができない』ということなのです。
『私はもう、ここにおらん方が、みんな、幸せになれるんや』
具体的な衝突など起こすまでもなく、12歳の少女はそう悟ってしまったのでした。
そこへ、またひょっこりとやって来たのが、「放浪者」エリアスです。
彼はジークリンデの話を聞くと、彼女に旅に出ることを勧めました。
「何も『みんなと縁を切れ』なんて言っている訳じゃないんだ。たまには元気な顔を見せて安心させて、土産話のひとつでも聞かせてから、また旅立てば良いのさ。それぐらいの距離感の方が、多分、君には向いているんじゃないのかな?」
ジークリンデがそれに同意すると、エリアスは彼女の両親からも了解を取り付けた上で、また、ヴィクトーリアの方にもその旨を報せた上で、彼女を連れて二人で旅に出ました。
その旅先で具体的に何があったのかは、当人たち以外には誰にも解りませんが、ただひとつ確かなことは、『二年間の放浪生活によって、ジークリンデの中で「自己肯定感」がそれなりの水準にまでは回復した』ということでした。
77年の初頭には、ジークリンデ(14歳)は、今や「人生の師」とも呼ぶべきエリアス(33歳)とも別れて、精神的にも「独り立ち」しました。
そして、彼女は、一度は家族にも顔を見せた後、またしばらくはヴィクトーリアの家で厄介になり、その年からはIMCSにも参戦します。
【それ以降、彼女は短期の放浪生活を繰り返しながらも、基本的には地元に滞在し、80年の3月には「嘱託魔導師」の資格も取得したのですが……同年の10月には、彼女は都市本戦で「空中乱打事件」を起こした後、「ミッドチルダ永久追放処分」となり、世間的には完全にその行方をくらませてしまったのでした。】
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