暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第4章】Vividの補完、および、後日譚。
 【第7節】キャラ設定4: ヴィクトーリア・ダールグリュン。
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め)彼女は「普通に学校(魔法学校の初等科)へ(かよ)うこと」ができなくなり、やむなく「通信教育」へと切り替えられました。

 また、グスタフはテオドールの死後、個人的に「三年の喪」に服していましたが、それが明けた頃、「分家筋のイトコメイに当たる女性」から懇願されて、彼女が5年前から養女として育てていたジークリンデ(8歳)を「危険は承知の上で」引き取りました。
 その際、クレア(8歳)も本家の邸宅に居を移され、六年ぶりに両親の許で暮らし始めたのですが、当然ながら2歳の頃の記憶など残ってはいなかったので、彼女にとっては実の両親も「あまり馴染(なじ)みの無い人たち」でしかありませんでした。両親の側から見れば、さぞ「可愛(かわい)げの無い娘」に見えたことでしょう。
【新暦76年の春、クレアは13歳で義務教育課程を修了すると、すぐに家を出て、向こうに(とつ)いでいた大叔母(祖母マーヤの妹)を頼って、遠くルーフェンへと移り住むことになるのですが……思えば、小さい頃に感じた「両親との距離感」もまた、「彼女がそうした人生を選んだ理由」のうちのひとつだったのかも知れません。】

 そして、72年の春に、ヴィクトーリア(10歳)はジークリンデ(9歳)と出逢いました。
 グスタフがジークリンデを引き取ってから、わずか半年で、ヴィクトーリアが幼年期を過ごした懐かしの「別邸」は、見るも無残に荒れ果てていました。ジークリンデが「エレミアの力」を制御できず、本人も望んでなどいない破壊行為を繰り返してしまった結果です。
 ヴィクトーリアにとっては、数々の大切な思い出をブチ壊されてしまったような状況でしたが、それでもなお、彼女はジークリンデに対して「怒り」よりも、むしろ「親近感」を(おぼ)えました。
『制御できないほどの力を背負わされて苦しんでいたのは、自分だけではなかった』
 それが解っただけでも、彼女にとって、ジークリンデの存在はむしろ「救い」だったのです。
 後に、二人はごく親しい友人として、ともに努力を重ね、互いに協力して、やがて次第に、それぞれに「自分の力」を使いこなせるようになっていったのでした。
【なお、互いに言語は別ですが、「ヴィクトリー」も「ジーク」も、元々は「勝利」という意味の単語です。『同じ意味の名前を持っている』という事実も、二人の親近感を強くする助けになったことでしょう。】

 また、ヴィクトーリアは小さい頃から「ハッキリと物を言う性格」だったので、曽祖父テオドールを始めとして、彼女を愛する人たちも沢山(たくさん)いましたが、同様に、彼女を苦手(にがて)とする人たちも決して少なくはありませんでした。
 身内で言うと、ヴィクトーリアは、祖父ベルンハルトや父ハロルドや母ベルタからは少しばかり(うと)まれており、兄弟との仲も決して親密
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