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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第4章】Vividの補完、および、後日譚。
 【第7節】キャラ設定4: ヴィクトーリア・ダールグリュン。
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「ヴィクトーリア」と名付けたのも、当時75歳のテオドールです。
 彼はもう70歳の時に嫡子ベルンハルトに家督を譲って引退していたので、可愛い曽孫(ひまご)のために、時間をいくらでも自由に使うことができました。実際、ヴィクトーリアは2歳から6歳までの間、曽祖父テオドールに引き取られて、彼が住む「別邸」の方で養育されていたのです。

 また、「雷帝の末子」ヴェンデルも、当初は百名を超える家臣団を引き連れてベルカ世界を(あと)にしたのですが、ミッドでは『(ごう)()っては郷に従え』とばかり、「王族の特権」などを要求することも無く、(あくまでも「ベルカ世界にいた頃に比べれば」の話ですが)随分と「(つま)しい生活」を送りました。
 家臣たちも順番に独立させ、(つと)めてミッドの社会に溶け込んでゆくよう、言い含めます。
 それでも、幾許(いくばく)かの者たちは「自発的に」ダールグリュン家に変わらぬ忠誠を誓い続けました。そして、今もそうした家系が四つだけ残っています。
 外側からダールグリュン家を護っているのが、ドスタル家とバールシュタイン家。内側からダールグリュン家を支えているのが、ラグレイト家とモーディス家です。

 そして、ヴィクトーリアの執事「エドガー・ラグレイト」は、新暦60年9月の生まれです。
 エドガーの父方祖父グスタフはラグレイト家の当主でしたが、エドガーの父はその次男でした。そのため、エドガー自身は「分家筋」という扱いになります。
 エドガーが3歳の秋(63年の11月)には、妹のクレアが生まれましたが、翌64年の夏には、いろいろあって、エドガーはヴィクトーリア(2歳)とともに、テオドールの「別邸」へと住居を移されました。『父母の許から離され、テオドールに(つか)える祖父母、グスタフとマーヤの許に預けられた』という形です。
 さらに翌年、以前から体の弱かった母親が本格的な「療養生活」に入ると、妹のクレア(2歳)もまた乳母たちとともに「別邸」の方へ預けられたのですが、その頃から、エドガー(5歳)は、お料理から武芸までこなす「多才な小児(こども)」だったそうです。

 そして、テオドールが68年の7月に亡くなると、エドガー(8歳)は正式に「ヴィクトーリアお嬢様(6歳)の個人的なお世話係(従者)」となり、二人して本家の邸宅に(きょ)を移されました。
 しかし、翌69年、ヴィクトーリア(7歳)はテオドールの「1回忌」の席で不意に意識を失い、まるでテオドールの身魂(みたま)が乗り移ったかのように、強大な「雷帝の力」に目覚めてしまいます。
 最初の三年ほどは、ヴィクトーリア自身にもその「雷帝の力」を正しく制御することができず、結局は、それが原因で(同年代の小児(こども)らを不用意に傷つけてしまう可能性(おそれ)があったた
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