暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第4章】Vividの補完、および、後日譚。
 【第6節】その後のジークリンデとルーテシア。
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ム第二大陸行きの次元航行船の予約を取ると、適当な店で夕食を取ってから、ジークリンデはホテルに戻り、フロントで明朝にはチェックアウトの予定であることを知らせて、自分の部屋に戻りました。
(誰かに会いに行ったけど上手く会えへんかったから、予定を切り上げて早めに帰ることにした、ということなんやろか?
 それと、資料には、シガルディスの遺族には「部分的に」ではあっても、おおむね遺体は戻って来た、と書いてあった。……やっぱり、他の世界から来た人の遺体は、本人確認ができへんかったから、間違って別人の遺体を送ってしまうぐらいなら……ということだったんやろか?)
 まだまだ疑問は尽きませんでしたが、ここでいくら考えてみたところで、情報が足りなさ過ぎてどうにもなりません。
 こうして、ジークリンデは翌日、シガルディスを離れ、デヴォルザムの第二大陸へと向かったのでした。


 一方、『あれから、ルーテシアとファビアは』と言うと……。
 二人は、シガルディスでジークリンデと別れて、その日のうちにミッドへ戻って来ると、まずは中央政府の「移民管理局」に行って当時のデータを調べ、何日かして「ザグロス・ディガルヴィ」の妻となる「リーファ・カルザム」が、元々は「セクターティからの移民一世」であったことを突き止めました。
 しかし、新暦32年、彼女は18歳の時に、父娘(おやこ)ほども齢の離れた夫「モゲッロ・カルザム」と二人きりでミッドチルダに移民して来てから、その「直後に」離婚しています。
 これは、典型的な「移民のための偽装結婚」の手法でした。

 管理世界では、一般人が合法的に他の世界へ移民するためには、まず「今いる世界の市民権」を持っていなければいけません。そして、市民権を得るには、一般には『その世界の公用語を習得し、かつ、その世界に5年間「実際に」居住する』ことが必要です。
 つまり、『他の世界からその世界に移民して来た人物が、さらに別の世界へ「再移民」しようと思ったら、その世界に5年間は「足止め」をされる』ということです。
 ただし、この規定には、ひとつだけ「抜け道」がありました。
管理世界では、一般に「男女は平等、ゆえに、夫婦も平等」が大原則なので、『市民権の持ち主と結婚した者には、自動的に市民権が与えられる』のです。

「まあ、おおよその見当はつくけど……」
「何か確証を得ようと思うと、やはり、一度は実際にセクターティへ行くしか無さそうですね」
「やっぱり、そうなるわよねえ」
 ルーテシアはいかにも面倒くさそうに溜め息をつきました。

 二人は10月のうちに、一旦、カルナージに戻り、年が明けてから、また改めてセクターティへ行くことになります。


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