【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第4章】Vividの補完、および、後日譚。
【第6節】その後のジークリンデとルーテシア。
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よう)のせいだったというのも、オカルトな説明だし……何だか人相まで変わってしまっていて、医者も頭を抱えていたわ」
「まあ、私の立場で言うて良えコトでも無いんやろうけど……そういう変化やったら、誰もが歓迎しとるんと違うんか?」
「ええ。ただ一人、彼女の父親を除いては、ね」
そこで、ヴィクトーリアは、ゼグルがIMCSの運営会議に乗り込んで来た時の話をしました。
「つまりは、元々が『似たもの父娘』やったんやな?」
「ええ。だから、彼は『あんなの、俺の娘じゃない! 何とか、本来の人格に戻せないのか?』と医者に詰め寄ったらしいわ」
「……戻して、どないすんねん……」
ジークリンデが呆れ顔でつぶやくと、ヴィクトーリアは『まったくよね』という顔をしながらも、推測まじりにこんな理由を語ります。
「彼の妻はごく普通の人で、一人娘の変貌ぶりには泣きながら喜んで、聖王陛下に感謝していたと言うから……やっぱり、彼としては、身近なところに『自分の同類』が一人ぐらいはいてほしい、という感覚なんじゃないのかしら?」
「それはまた、傍迷惑な『寂しがり屋さん』やなあ……」
【なお、ゼグル・ドーラスは、後に懲戒降格処分を受けて一等陸尉となり、当然に部隊長の地位も失いました。それでも、なかなか「懲りない性格」をしていたのですが、年が明けると、退院した一人娘から毎日毎日、朝から晩まで「説教」をされ続け、ついには心が折れて(?)次第に自分の言動を改めるようになったのだと言います。(笑)】
さらに、もう少しあれやこれやと話し合ってから、ヴィクトーリアはようやく「最後の話題」を切り出しました。
「それで、あなたはこれからどうするつもりなの?」
「この世界でできることは、もうひととおりやってもうたし、私はもうミッドには帰れへん身の上やし。……今ふと思いついたんやけどな、ヴィクター。ミッドのベルカ自治領以外で、西方系のベルカ人が大勢まとまって暮らしとるトコロと言うと、どこになるやろか?」
「そうね。『西方系』の人々が『大勢まとまって』と言われると……主要な管理世界に限っての話なら、やっぱり、デヴォルザムの第二大陸か、ドナリムの中央大陸北部が、有名なところだと思うわ」
(管理外世界でも良ければ、コリンティアに移り住んだ人々も、おおむね西方系の人々でした。)
「ここから近いのは、デヴォルザムの方やな?」
ジークリンデは、質問というよりも確認の口調で訊きました。
「そうだけど……念のために言っておくと、時差はほとんど12時間あるわよ」
「まあ……それは、何日かすれば慣れるやろ」
「それと、そこからデヴォルザムへ『ミッドを経由せずに』行くとなると、次元航行船に乗るしか無いけ
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