【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第4章】Vividの補完、および、後日譚。
【第6節】その後のジークリンデとルーテシア。
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)には、これから皆に返さなアカン恩が一体どれだけあるんやろう?)
心の片隅では、そんなことを考えながらも、ジークリンデは調べを進めていきました。
14年前の事件は、ここシガルディスでも「かつてないほどの」大事件で、実に多くの文書記録が残されていました。
客観的な事実としては、『民間の次元航行船が軌道上でいきなり爆発・四散して、乗客と乗員が間違いなく、一人残らず死亡した』という事件で、地上では無敵のエレミアも真空の宇宙空間ではさすがに生き延びることはできなかったようです。
しかし、文書の数は多いのですが、よく読んでみると、書かれている内容はどれもこれも似たり寄ったりでした。判明している事実の総量が、極端に少ないのです。
要は、『特に原因は見当たらず、「爆弾テロ」の可能性が最も高いのだが、もしそうだとしても、犯行声明も何も無いので、実行犯の特定もできず、テロの理由や目的も全く解らない』というだけのことでした。そもそも、もし本当にテロだったとしても、この犯行で何がしか利益を得られた者など、一人も見当たらないのです。
その後は、事件に関する新たな情報も特に無く、シガルディスでは再犯も模倣犯も全く無かったため、現地でも事件の記憶は早くも風化してしまっていました。
そんな訳で、10月が終わる頃には、ジークリンデももう完全に手詰まりになっていました。
そして、ちょうどその頃、ミッドの管理局員がわざわざ彼女の部屋を訪ねて来ました。
相手が「ジークリンデ・エレミア本人」であることを確認した上で、彼女にクラナガン中央大法院の「市民権剥奪、ミッドチルダ永久追放処分」という判決を伝え、その旨の書面を彼女に手渡します。
そこで、ジークリンデは受領証にサインをして、その局員にお帰りいただくと……判決では通話まで禁止された訳では無かったので、局の転送施設で通話ブースを借り、まずはヴィクトーリアに連絡を入れました。
もちろん、最初はさんざんに叱られたのですが、ヴィクトーリアは今まで溜め込んでいたモノをひととおり吐き出すと、後は冷静に話を聞いてくれます。
そこで、ジークリンデは自分の側の状況を、包み隠さず、すべて報告しました。
「なるほど。あの判決を聞いた上で連絡して来たという訳ね。……それにしても、ルーテシアさんには、また随分と世話になってしまったわね」
「いや、全くや」
それから、ようやくジークリンデに「話を訊く順」が回って来ました。ヴィクトーリアはここぞとばかりに語り始めます。
「まず、都市本戦はミカヤさんの優勝よ。私は5位だったわ。3回戦がグダグダで、気がついたら判定負けにされていたのだけれど、5位決定戦ではアインハルトさんとなかなか良い試合ができたと思っているわ。
それから、カマルザ選
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