暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第4章】Vividの補完、および、後日譚。
 【第6節】その後のジークリンデとルーテシア。
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ました。
「このヴォグニスでは、大半の場所でミッド語が普通に通じるはずだから、翻訳機が無くても安心して良いわ。ただし、放浪生活は『社会的に、即、アウト』だから、寝る時は必ずホテルの部屋で寝るようにしてね。
 それから、こちらのカードには、普通に暮らせば半年ぐらいは大丈夫な額が入ってるから、あなたが自由に使って良いわ。贅沢(ぜいたく)はダメだけど、あんまり貧乏くさいのもやめてね」
 さらに、ルーテシアは自分のカードで、必要な額のシガルディス通貨を引き出すと、街に出て、ジークリンデを現地の服飾店に連れて行きました。
その間に、ファビアは単身、旅行用品店へと向かいます。
 こうして、ジークリンデは必要な「普通の服と替えの下着と旅行用のトランクなど」を買い与えられ、ヴォグニスの管理局地上本部ビルにも(ほど)近い単身者用のホテルへと案内された後、三人で少し早い昼食を取りました。
 他にも、「ヴォグニス地上本部に付属するデータバンクの利用法」や「生活上の注意事項」などをさんざん聞かされた上で、ジークリンデはようやく解放されます。

「二人とも、何から何まで手取り足取りで、済まんかった。(ウチ)一人やったら、(なん)もできとらんかったわ。ホンマ、恩に着るで」
「私たちのことは、別にいいから。気の済むまで調べものをしたら、せめてヴィクトーリアさんと自分の家族にぐらいは連絡を入れておきなさい。あなたのことは、私たちの側からは、誰にも何も(しゃべ)らないから安心して良いわよ」
 それだけ言って、ルーテシアとファビアは、その日のうちにミッドに戻り、(なに)()わぬ顔で、自分たち自身の調べものに取り掛かります。
 当初の予定よりも半日ほど遅れてしまいましたが、その程度のことなど、この二人にとっては、どうと言うほどのことでもありませんでした。


『局からの指示で、外部協力者として、あちこちで「次元航行船の事故」について調べています。こちらでも、新暦66年9月の事件に関して、当時の資料を閲覧させていただきたいのですが』
 ジークリンデが現地の地上本部の担当窓口で、ルーテシアから教わったとおり、「嘱託魔導師の身分証」を見せて担当者に丁寧なミッド標準語でそう言うと、担当者はただマニュアルどおりに、その身分証が本物であることを確認しただけで、あっさりと(とお)してくれました。
「今日一日の、ご利用ですか? それとも、明日以降も、継続しますか?」
 担当者の今ひとつ流暢(りゅうちょう)ではないミッド語にも、ジークリンデはルーテシアから教わったとおり、『一か月の継続でお願いします』と答えます。

 そして、担当者の請求どおりに費用を支払うと、身分証が返却されるとともに、期限が一か月の利用者通行証が手渡されました。
「この通行証で、あちらの
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