暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第4章】Vividの補完、および、後日譚。
 【第5節】同80年の10月以降の出来事。
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ですが、その一方で、『法律で「個人の自由」をあまりに強く縛りすぎてしまうのも、どうなのか?』という意見も根強く、どの管理世界の中央政府にとっても古来、頭の痛い問題のひとつとなっています。

 また、この排卵抑制剤は、あくまでも「副作用が無いように」造られているため、あまり「強い薬」ではありません。そのため、個人差もかなり大きいのですが、おおよそ十年ほど『毎月、使い続けて』いると、やがて効かなくなって来ます。(←重要)
 そこで、医学的には「せめて八年に一度ぐらいは、服用を半年ほど中断して、何回か生理を経験しておくこと」が推奨(すいしょう)されているのですが……それをサボった結果として「四十を過ぎてから、想定外の妊娠をしてしまう女性」というのも、困ったことに、昔から一定数、存在しています。
 しかし、ミッドでは古来、堕胎(妊娠中絶)は基本的に行なわれていません。
 必ずしも法律で明瞭に禁止されているという訳ではないのですが、社会的には「よほどの事情が無い限り、周囲から非難されても仕方の無い行為」であるものと(ひろ)く認識されています。
 また、新暦の時代になると総人口が減少局面に入ってしまったため、ミッド中央政府の当局も、今ではなおさら積極的に『たとえ公費を()ぎ込んででも、妊娠した女性には(本人の年齢や、本人がその妊娠を望んでいたかどうか、などといった「個々の事情」には関係なく)なるべく普通に出産してもらい、育てられない事情があるのなら、当局が施設に引き取り、最初から公費で孤児として育てる』という政策を取っています。】


 また、12月になると、地球では、美由希(32歳)が、第二子の奏太(そうた)を出産しました。
 たまたま休暇がそろったので、なのはとフェイトとはやては、三人でまた地球を訪れ、美由希に出産祝いを渡しました。
 さらに、三人はその晩、「友だち結成15周年」を祝って、アリサやすずか(24歳)とも会食したのですが、その席で二人から、それぞれに婚約の話を打ち明けられました。
 なのはもフェイトもはやても大喜びで「来年の4月に予定されている、それぞれの結婚式」への出席を約束します。
 しかし、実際には、その約束が果たされることはありませんでした。
 翌81年の2月には、あの〈エクリプス事件〉が始まってしまったからです。



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