【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第4章】Vividの補完、および、後日譚。
【第5節】同80年の10月以降の出来事。
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いるポピュラーな悪態のひとつでしかない。テキトーについた悪態がたまたま図星だったというだけで、何故あれほどの仕打ちを受けねばならんのだ?」
そこで、コニィが隣室から、ここぞとばかりに登場しました。ヴィクトーリアとほぼ同じ体格をした、恵体の美女です。
彼女は、神々と聖王陛下に宣誓した上で、『カマルザは私立探偵を雇って、ジークリンデ選手のことをいろいろと調べさせていた』と証言しました。
「つまり、彼女がリングの上で口にした悪態は、決して『テキトーについた』ものではありませんでした。実際には、よくよく調べた上で『他人の不幸を嘲る』という大変に悪質な行為だったのです」
聖王教会には、明確な「教義」は特にありませんでしたが、それでも、数多の「教訓」が語り伝えられています。
その中でも重要な「三十の教訓」のひとつに、『他人の不幸を嘲ってはならない』というものがありました。聖王教徒ならば誰もが知っているほどの、有名な警句です。
コニィはわざと、それを引用してみせたのでした。
宗教的な「当然の倫理観」を盾に取られたのでは、ゼグルの攻撃もいささか分の悪いものとなります。
心理的に劣勢を意識してしまったのか、ゼグルはそこでふと性急になり、さらなる悪手を打ちました。
「ちょっと待て! 私立探偵の守秘義務は、どこへ行った?」
「それは、探偵さんの義務であって、私の義務ではありません」
コニィはバッサリと切り返します。
「暴言に暴力で返しても良いのか?!」
これには、またヴィクトーリアが冷静に答えました。
「決して良くはありません。ですから、すでに『相応の処分』はしました。IMCSの選手にとって『永久除名処分』は最も重い処罰です。これ以上、彼女に一体何を要求するおつもりですか?
もし刑事告訴をしたいのなら、我々にではなく、法務官に直接お話しください。その場合には、こちらも証拠として先程の性差別発言を法廷で『公開』せざるを得なくなりますが、それでもよろしいですか? カマルザ選手も、今年でもう17歳なのですから、法的にも、成人として裁かれることになりますが?」
その後も二人による言葉の応酬はしばらく続きましたが、結局のところ、ゼグル・ドーラス二佐は、いささか汚い「捨てセリフ」を吐いて、その場から独り退席したのでした。
全員でひとつ大きく溜め息をついた後、その場に同席していたジェスカが、ふとコニィに訊きました。
「後学のために訊いておきたいんだけど、あなたは私立探偵に一体どうやって白状させたの?」
「直接に会って適当に相槌を打っていたら、その種のホテルに連れ込まれて服を脱がされたので、強姦未遂をネタに少しばかり脅しました」
「強姦未遂?」
「
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