暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第4章】Vividの補完、および、後日譚。
 【第4節】新暦80年、9月までの出来事。
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いるわ。そう言うと、すごく多そうに聞こえるけど、人間の体には何十兆という数の細胞があるからね。全体のおおよそ十万分の一だと考えれば、重量は全部まとめても1グラムにすら届かないんじゃないかしら?」
「では、それが無い(ぶん)だけ、クローンは免疫力が弱い、と?」
「ええ。あくまでも一般論だけどね」
「なるほど……。御説明、ありがとうございました」

【この「マイクロキメリズム」それ自体は実在の現象ですが、少なくとも西暦2023年現在の段階では、そうした細胞の個数は、三千万個程度だろうと「推定」されています。
 また、現状では『母体の免疫系が胎児を異物として攻撃することを回避するために、そのように進化を遂げたのではないか』と考えられており、これらの細胞が子供の側の免疫に関与しているかどうかは、全く不明です。
『何億個もの細胞が胎児の体内に移動して、その子の免疫機能を強化している』というのは、あくまでも「この作品の設定」ですので、くれぐれもお間違えの無いよう、よろしくお願いします。】

「それから、『同一の人物から造られたクローンでも、ギンガさんとスバルさんは素のクローンなので、オリジナルと同様に子供は産めない体だけれど、ノーヴェさんだけは改造クローンなので、産める体なのだ』と聞きましたが……実際に、そうなんですか?」
 今回、ノーヴェは来ていないので、チンクが代わりにそれを肯定します。
「うむ。そもそも、我々ナンバーズは全員がスカリエッティのクローン胚を胎内に仕込まれていたのだから、最初から『そのために』改造されたとしか言いようが無い。ノーヴェの髪が赤くなったのも、そうした遺伝子改造の副産物だろう」
「当時は何も考えてなかったっスけど、今、思うと、アタシらって、メッチャひどい扱い、受けてたんじゃないっスか?」
「まあ、『ただの苗床(なえどこ)』というのは、『女の扱い方』としては、間違いなく最悪の部類だろうな」
「結局のところ、単なる道具や兵器としてしか扱われていなかった、ということなんでしょうね」
ディエチの声は、やや寂しげなものでした。

 ウェンディ「ああ! クローンの話で、思い出したっス! そう言えば、アタシ、お嬢に報告しておかなきゃいけないコトがあったっスよ!」
 ルーテシア「ウェンディが私に報告って……何?」
 ウェンディ「アタシは純粋培養で、多分、『ゲノム(おや)』は三人いるんスけど」
 ファビア「ゲノム親というのは?」
 ディエチ「単に、『素材』とも言いますね。例えば、オットーとディードは、同じ四人の人物を『ゲノム親』にしつつ、遺伝子の編集の仕方を互いに少し変えて製造されました。ゲノム親が全く同じだから、姉妹の中でも、特別に双子あつかいをされている、という訳です」
 ウェンディ「で、アタシはティアナの補
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