【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第4章】Vividの補完、および、後日譚。
【第4節】新暦80年、9月までの出来事。
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から、よぉお越しやす』と、パドマーレでも言われるような決まり文句を言われて、クラスの馬鹿が一人、『クラナガンは田舎じゃねえ!』とか言って、いきなりキレちゃったんだけどさ。
まあ、ああいった歴史の古い土地に住んでいる人たちが言う『田舎』は、ただ単に『歴史の浅い土地』ぐらいの意味だからね。適当に聞き流してあげないと。(苦笑)」
そこで、ミウラは思い切って、唐突に男湯の方へと柵越しに声をかけました。
「そう言えば、エリオさんって、ゼナドリィの出身なんですよね?」
「いや、ごめん。ボクも5歳でゼナドリィを離れているからね。実は、もうほとんど覚えてないんだよ」
会話が続かず、ミウラは少し残念そうな表情です。それは、「初恋」と呼んでしまうには、まだ淡すぎる感情でした。
これ以降は、ミウラの方からエリオに何かをアピールできる機会も無く、3泊4日の合同訓練はあっさりと終了してしまったのでした。
そして、6月上旬には、ヴィヴィオたちが実際に修学旅行に出かけました。
イクスヴェリアの小さな分身は、学校の行事なので自分は一緒に行くことができないのだと知ると、『ガーン!』と大変にショックを受け、激しく落胆します。(笑)
また、この頃までは、眠り続けるイクスヴェリア本体の「お世話役」であるセインやシャンテがそのまま分身のお世話係も兼任していたのですが、各員とも「教会成立360周年記念祭」の関係で忙しくなり、また、イクスヴェリアの分身が、自分もまた旅行がしたかったのか、いよいよ活発にベルカ自治領の中をあちらこちらへと飛び回るようになったため、翌7月には「分身専属のお世話係」として別の修道騎士2名が着任しました。
【以後、この二人はセインたちの指揮の許、新暦95年の1月まで実に14年半に亘って、その職務を忠実に勤め上げることになります。】
そして、7月下旬。今年もまた、IMCSの地区予選が始まりました。
結論から先に言えば、今年の第28回大会は、昨年に比べると、やや盛り上がりに欠けました。全体として新人選手にも乏しく、ナカジマジムにとっては組み合わせ順も決して良いものではありませんでした。
まず、ルーテシアやファビアやコロナの欠場に、一部のファンは大いに落胆しました。
『正統派の選手ばかりでは詰まらない。変わり種の選手がいた方が、見ていて面白い』という意見も、確かに解らなくはありません、
なお、コロナの欠場は、ただ単に「ジムの人手不足」のせいでした。コロナはユミナとともに、他の選手のマネージャーやトレーナーのような仕事まで引き受けていたために、今回は自分自身の(選手としての)コンディションを上手く調整することができなかったのです。
未熟者と言われれば、確かに、そうかも知れま
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