【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第4章】Vividの補完、および、後日譚。
【第4節】新暦80年、9月までの出来事。
[4/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
」
オットーとディードが(去年までは「陛下」呼びだったのに)今年の初め頃から、ヴィヴィオのことを名前で呼ぶようになったのは、もっぱらそのせいでした。
騎士カリムとシスター・シャッハからも、『再臨派のバカどもを刺激する可能性が高いので、もう「陛下」呼びはやめるように』と昨年から命じられていたのです。
【なお、聖王教会の公式教義については、「背景設定10」を御参照ください。】
また、ヴィヴィオとコロナとリオは、今年で5年生なので、来月には修学旅行という学校行事がありました。
オットーとディードに言わせると、『自分たちはミッドと〈本局〉とカルナージ以外の世界にはまだ行ったことが無いので、ちょっと羨ましい』とのことです。
行先はパルドネアでしたが、具体的な場所は、当人たちもまだ聞かされてはいません。
リオは、キャロがパルドネアの出身と知ると、やや興奮気味の口調で問いかけました。
「どんな世界なんですか? て言うか、修学旅行先って、どのあたりになると思いますか?」
「私は、7歳でパルドネアを離れちゃったから、アルザス以外の土地のことはよく解らないんだけど……いくら時差が小さいとは言っても、さすがにアルザス地方は無理だろうと思うよ。
首都圏も時差が大きすぎるから……多分、あまり時差の無い〈西の大陸〉のどこかになるんじゃないのかなあ?」
それを聞いて、リオは、随分と落胆しました。
〈中央領域〉に限って言えば、大型竜族の住む世界は、他にはコリンティアとアペリオンぐらいのもので、どちらも一般人が普通に行ける場所ではなかったのです。
【キャロは翌日、要するに、リオは大型竜族に会いたがっていたのだと知って、フリードを「元の大きさ」に戻し、フリードに頼んで、自分とリオを背中に乗せて空を飛んでもらいました。おかげで、リオは修学旅行へ行く前から、もう大満足です。(笑)】
さて、リオが落胆した直後のことですが、『そう言えば、アインハルトとミウラも二年前には、初等科で修学旅行に行ったことがあるのでは?』という話になりました。
実際には、アインハルトは「休学中」で修学旅行には行ってなかったのですが、一方、ミウラは初等科5年生の時に、ゼナドリィの古都サグアディエへ行ったことがあります。
ミウラは訊かれるがままに、答えました。
「新都バクトニエと古都サグアディエの関係は、ちょうどミッドにおけるクラナガンとパドマーレのような関係かな。クラナガンとパドマーレよりも、もう少しお互いに『いがみ合っている』のかも知れないけど」
「一般論として、何か注意事項って、ありますか?」
「そうだなあ……。やっぱり、どこであれ、お互いに相手を見下すような態度はダメだよね。ボクらも初等科の時には、古都サグアディエの旅館で『はるばる田舎
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ