【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第4章】Vividの補完、および、後日譚。
【第4節】新暦80年、9月までの出来事。
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た手続きに則るのが一番でした。
スバルたちも以前から、『自分たちもヴォルテールに会ってみたい』とは言っていたのですが、今回は随分とタイミングが悪かったようです。
翌朝、ルーテシアとファビアは、キャロに誘われてエリオやフリードとともに、まずは次元航行船でミッドへ行き、そこから、改めて「即時移動」でパルドネアのアルザス地方へ飛んで、ヴォルテールに会いました。
キャロが「御機嫌うかがい」をすると、ヴォルテールは低く静かに唸り声を上げます。
キャロの翻訳が正しければ、それは『また白天王に会いたい。いずれは子作りもしたい』という意思表示でした。
真竜は基本的に、みな両性具有体なのですが……それでは、白天王も「真竜の一種」だったのでしょうか? ということは、ルーテシアも「竜使いの一族」の出身だったということなのでしょうか?
思わぬ展開に、さしものルーテシアもいささか混乱している様子です。
ヴォルテールの許を辞して、ミッドに戻った後、四人はそこで二組のペアに分かれ、また、それぞれにスプールスとカルナージに戻ったのでした。
そして、娘たちからその話を聞くと、メガーヌはしばらく押し黙ってから、やがて、ルーテシアにこう語りました。
「ごめんなさい。あなたがもう少し大人になったら話そうと考えているうちに、すっかりその機会を逸していたわ。あなたももう15歳だから、そろそろ知っても良い頃合いよね。
あなたの父セルジオ・アルピーノも、その両親も、私の父ザグロス・ディガルヴィも、その両親も、まったく普通の人間で魔力は持っていなかったの。
私の近代ベルカ式魔法は、私が初等科の時に、同じ街に住んでいた『父の従姉たち』から教わったものだったから、私自身は小さい頃からずっと、自分の魔法資質は『父の祖父母』からの隔世遺伝なのだとばかり思い込んでいた。二世代も飛ばして遺伝するのは、かなり珍しいことだけど、あり得ないことじゃないわ」
メガーヌは続けて語りました。
「でも、『召喚魔法』となれば、話は別よ。ましてや、本物の『真竜召喚』であれば、その資質はほとんどが遺伝性のもので、突然変異でその資質が発現することなど、まずあり得ない。そして、もちろん、何世代さかのぼっても、アルピーノ家やディガルヴィ家には、そんな資質の持ち主はいない。
だから、消去法で考えて、あなたの召喚魔法の資質は『おそらく』私の母リーファから受け継いだものなのだろうと思う。
でも、私の母は、小さい頃の私と同じで体が弱く、『毎日出勤するのが苦痛だから』というだけの理由で、分の悪い在宅の仕事をしていたほどだった。私も、母リーファが生前に魔法を使っていたところなど一度も見たことが無い。
母は髪の色も、私たちと似たような色合いだ
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