【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第4章】Vividの補完、および、後日譚。
【第3節】同79年の10月以降の出来事。
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を全く愛してなどいなかった』と知って、『自分の父親は生涯、別の女性を愛し続けていたのだ』と知って、彼は一体どんな気持ちだったのでしょうか?
もしも、自分が父親の複製体だと知っていたのなら、なおさら辛かったに違いありません。父親を憎もうにも、自分自身がその父親と遺伝的には同一の人物なのですから。……彼の苦しみに比べたら、きっと、私の苦しみなど大したものでは無いのでしょうね……。)
自宅への帰途に就きながら、アインハルトはまたさらに考えます。
(それにしても、クラウスの晩年の記憶とは、一体? あの時代は、皆で戦争しかしていなかったはずですが……。)
アインハルト(12歳)がすべてを思い出せるようになるまでには、まだなお十年余の歳月が必要でした。
そして、12月になると、IMCSでは「世界代表戦」が行なわれました。〈中央領域〉でDSAAに加盟する16個の管理世界から、それぞれのチャンピオンが「その年の開催世界」の特設会場に集結します。
今年の開催世界は〈管16リベルタ〉でしたが、結果は一昨年の〈管8フォルス〉での世界代表戦と同様に、ジークリンデの優勝となりました。
完全なアウェーでの勝利は、それだけでも、なかなか難しいことのはずなのですが、ジークリンデの勝ち方には全く危なげがありません。
それでも、ミッドに戻り、クラナガンでの「凱旋パレード」の最中ですら、ジークリンデの心の中は、決して「きれいに晴れ渡っては」いませんでした。
(私も……嘱託魔導師の資格とか、取ってみようかなあ……。)
彼女には、まだ「自分の将来の姿」が全く見えてはいなかったのです。
年末には、バオラン、ノーザ、ノムニアらの「19歳組」は、当然にIMCSを引退しました。
エルス(16歳)も、いろいろと思うところはありましたが、ここで正式に引退します。
【そして、翌春、エルスは地元の高等科を首席で卒業した後、2年制の「士官学校、陸士コース」へと進みました。】
また、その年末には、アインハルトがU−15大会の「ウィンターカップ」に出場して、いきなり王座を奪取しました。
アインハルトは「ノーヴェ・ナカジマ会長」とともに一躍、有名人となり、当然のごとく、業界 関係者から「ナカジマジム」への問い合わせも殺到します。
その結果、年度末には、「ナカジマジム」は首都新市街の「とても良い物件」に入居できることになったのでした。
【以下、U−15大会の話題は、すべて省略します。】
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