【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第4章】Vividの補完、および、後日譚。
【第2節】IMCS第27回大会の都市本戦。
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照ください。】
「ジムの方からも、道場の方からも、一度は『ミッドチルダ・チャンピオン』にまで上りつめた身なのだから、せめて籍だけでも残しておいてくれないか、とは言われているんだけどね。そういう未練はすべて断ち切って、私は『人生の第二ステージ』に進みたいんだよ。
まあ、将来的には、『自分の子供にせがまれたら個人的に教える』ぐらいのことはするかも知れないけれどね」
バオランは、随分と晴れやかな表情でそう語ったのでした。
【なお、相当に先の話になりますが、「バオラン・レイザム・マドリス」は、最終的に2男2女の母となり、そのうちの第一子(長女)と第四子(次子)は後に優秀な魔導師になりました。
特に、81年生まれの「ラウザ・マドリス」は、初等科を卒業すると、すぐに陸士訓練校に入って13歳で陸士となり、15歳で捜査官に。18歳では早くも本局所属の広域捜査官になるのですが……それは、また「次の世代の物語」です。】
その日の午後、まず3位決定戦では、バオランがハリーに大差の判定で勝利しました。
ハリーは午前中の対ヴィクトーリア戦で全力を出し切っており、さすがにその時のダメージからまだ完全には回復できていなかったようです。
そして、決勝戦。
ノーザとザミュレイは、8人まで座れる特別観覧席(個室)で、ジークリンデとヴィクトーリアの対戦を仲よく二人きりで観戦していました。
まず、両選手の入場を見ながら、ノーザが口を開きます。
「やはり、スペックだけで考えれば、あの二人は完全に別格だね。あとは、メンタルに少しだけ問題が残っている、といったところかな?」
「まあ、『理想形』と比較すれば、そういう評価になるんでしょうね」
「ところで、私も今年は5位で終わったが、最高成績は昨年の準優勝だった。君も、私と結婚するのなら、今年の7位や昨年の4位では満足せず、私と同じ準優勝か、できれば優勝まで行ってほしいなあ」
「それは……結婚の条件としては、かなり厳しいですよね?」
「ダメなら結婚できない、とまでは言ってないよ。ただ、私の両親の『君に対する評価』は、君の成績次第で多少は変わって来るかもね。(ニッコリ)」
リングではIMCS史上に残るような熱戦が繰り広げられましたが、結果としては、ジークリンデが大差の判定で優勝となりました。
「それでも、あのジークと本気で打ち合ってKOされずに済む、というのは、それだけでも、もうスゴいことだよ」
「あの防御を、一体誰が打ち抜けるんですかねえ?」
「プロの陸士の中にならともかく、競技選手の中にはいないんじゃないのかな?」
「プロの陸士の中になら、いるんですか?」
すると、ノーザは、そこで不意にスバルの話を持ち出しました。実は、彼女はスバルの大ファンだったのです。
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